「AIに聞く」が当たり前になった、と言うとき——その「AI」は一つではありません。ChatGPT、Gemini、Google AIモード、Perplexity。同じ"AI検索"でも、使う人の数も、使う年代も、参照する情報源の傾向も違います。だから「AIに選ばれる」は、本当は「どのAIに、どう拾われるか」という設計の問題なのです。
まず前提から。検索のときに生成AIを使うと答えた人は、サイバーエージェントGEOラボの調査で37.0%に達しました(2026年2月・n=9,278)。2025年10月の31.1%から数か月でさらに伸び、20代では初めて過半数を突破しています。「AIに聞く」はもう一部の習慣ではなく、検索の主要ルートの一つになりました。
37.0%
検索時に生成AIを利用する人の割合(20代は過半数を突破)
出典:サイバーエージェント GEOラボ「生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾」(2026/2・n=9,278)cyberagent.co.jp
ただし、ここで止まってはいけません。「生成AIで検索する人が37%」という総量の裏側で、その人たちが触れているAIは複数に分かれているからです。一括りに「AI対策」と言っても、相手によって攻め方は変わります。
同じGEOラボ調査で、検索に使うサービス別の利用率を見ると差が明確です。ChatGPTが29.1%でトップ、次いでGoogle検索の「AIモード」が21.0%、Geminiが15.6%。しかも伸び率はGeminiが前回比+5.2ポイントと最も大きく、ChatGPT(+3.6)を上回りました。王者はChatGPTでも、追い上げる側の勢いも見逃せません。
検索で使われる生成AI・サービス別の利用率(2026年2月)
出典:サイバーエージェント GEOラボ「生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾」(2026/2・n=9,278) cyberagent.co.jp
「利用したことがあるAI」という、より広い軸で見ると差はさらに開きます。MMD研究所の調査では、対話型生成AIの利用経験者のうちChatGPTが80.6%、Google Gemini 50.8%、Microsoft Copilot 39.1%(2025年11月・n=1,000)。別のMM総研の調査でもChatGPT 65.7%・Gemini 40.0%・Copilot 26.2%・Grok 9.5%と、顔ぶれと序列はおおむね一致しています(2025年8月・n=3,013)。まず押さえるべきはChatGPT、しかし設計はGemini/Google AIモードまで届かせる——これが現実的な優先順位です。
「利用したことがある」対話型生成AI(利用経験者ベース・複数回答)
出典:MMD研究所「2025年 一般生活者におけるAIサービス利用実態調査」(2025/11・n=1,000・18〜69歳) prtimes.jp
利用するAIが分かれるということは、AIごとに背後の利用者層が違うということでもあります。GEOラボの調査では、Google検索の「AIモード」の利用率は全体で21.0%ですが、10代では33.5%と一段高くなります。年代によって、出会いやすいAIの入口が違うのです。土台として、生成AIの利用そのものも若い世代に厚く、総務省「令和7年版 情報通信白書」では個人の利用率が全体26.7%なのに対し20代は44.7%と報告されています。
33.5%
10代でのGoogle「AIモード」利用率(全体は21.0%)——若年層ほど入口が違う
出典:サイバーエージェント GEOラボ「生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾」(2026/2・n=9,278)cyberagent.co.jp
「AIに対策する」のではなく、「どのAIを使う、どんなお客様に届けたいか」から逆算する。エンジンの違いは、そのまま顧客層の違いです。
そして、どのAIであっても共通して言えるのは、AIの回答はそのまま行動に直結するということです。GEOラボの調査では、AIの推薦を見たあとに実際に商品・サービスを購入・利用した人が47.5%、AIが提示したURLをクリックすることが「よくある/時々ある」人が54.4%に上りました。AIの答えに「載るかどうか」が、来店・購入の分かれ目になっているのです。
AIの回答は、そのまま行動につながる(2026年2月)
出典:サイバーエージェント GEOラボ「生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾」(2026/2・n=9,278) cyberagent.co.jp
ここまでの数字を一本につなぐと、結論はシンプルです。検索の37%が生成AIを通り、その内訳はChatGPT・Google AIモード・Gemini・Copilotに分かれ、年代によって入口が違い、しかしどのAIでも回答は購買へ直結する。「AIに選ばれる」を一つの作業として捉えると、必ず取りこぼしが出ます。
必要なのは、まず最多のChatGPTに正しく認識されること。同時に、Google検索の文脈で動くAIモード/Geminiに拾われるよう、Web上の一次情報・構造化・第三者評価(クチコミ)を整えること。「どのAIに、どう拾われるか」を前提にした情報設計こそが、これからの集客の土台になります。
AIエンジンは一つではない。だから対策も一つでは足りない。最多のChatGPTを軸に、しかしGoogle・Geminiまで届く情報を、Web上に積み上げ続けること——それが「選ばれる」設計です。
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