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保育・教育 / 幼稚園

幼稚園児は8.4万人減。
それでも選ばれる園の共通点。

Nest Lab保育・教育 / 幼稚園2026.07.14出典2件

幼稚園の在園者数は前年度より8万4千人減少、幼保連携型認定こども園は過去最多

子どもの数が減り、園を取り巻く前提が変わっています。文部科学省の学校基本調査によれば、幼稚園の在園者(園児)数は75万8千人で、前年度より8万4千人の減少。一方で幼保連携型認定こども園の在園者数は85万8千人と過去最多となり、2023年度に初めて幼稚園を上回りました。園児は「減った」だけでなく、預かり保育のある認定こども園へ移っている——共働きが当たり前になった保護者に、その園で「何ができるか」を届けられるかどうかが分かれ目になっています。本記事では、その構造の変化を公的データで整理します。

幼稚園児は、1年で8万4千人減った。

文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値・調査期日2024年5月1日)」によると、幼稚園の在園者(園児)数は75万8千人前年度より8万4千人減少しました。幼稚園の在園者数は1978年度をピークに漸減が続いており、少子化と後述する構造の変化が重なって、規模の縮小が続いています。まずは、この減少がどれほどの幅なのかを押さえます。

−8.4万人

幼稚園の在園者(園児)数の、前年度からの減少幅。在園者数は75万8千人(前年度より8万4千人減)となった

出典:文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」(2024/12/18公表・調査期日2024/5/1)mext.go.jp

ただし、この8万4千人は「生まれる子どもが減ったから」だけで説明できる数字ではありません。同じ調査は、園児が別の受け皿へ移っていることも示しています。減り方の内訳を見ると、幼稚園の外で起きている変化が見えてきます。

在園者数は、認定こども園が幼稚園を上回った。

同じ学校基本調査で、幼保連携型認定こども園の在園者数は85万8千人。前年度より1万5千人増えて過去最多となり、園数も7,321園に増えました。そして2023年度に、在園者数で初めて幼保連携型認定こども園が幼稚園を上回りました。長く「就学前の教育・保育といえば幼稚園」だった構図が、静かに入れ替わったことになります。

85.8万人

幼保連携型認定こども園の在園者数(過去最多・前年度より1万5千人増)。2023年度に初めて幼稚園を上回った。園数は7,321園

出典:文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」(2024/12/18公表・調査期日2024/5/1)mext.go.jp

在園者数の比較:幼稚園 と 幼保連携型認定こども園(2024年5月1日時点・単位:万人)

75.8万人
85.8万人
幼稚園 認定こども園

出典:文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」(2024/12/18公表・調査期日2024/5/1) mext.go.jp

認定こども園が伸びている背景には、預かり保育の有無があります。共働き世帯が多数派になり、日中に子どもを預けられる体制が、園を選ぶうえで大きな比重を占めるようになりました。保護者が探しているのは「教育か、保育か」の二択ではなく、働きながらでも通わせられる園です。認定こども園への在園者の移動は、その要望が数字に表れたものと読めます。

通う子ども自体も、少子化で減っている。

移動だけでなく、就学前の子どもの総数そのものも縮んでいます。こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」によれば、保育所等を利用する児童数は2,678,417人で、前年より26,641人(−1.0%)の減少定員充足率も88.4%(前年比−0.4ポイント)と下がりました。定員に空きが生じ始めており、就学前施設全体で「通う子ども」というパイ自体が小さくなっていることが分かります。

つまり園を取り巻く状況は、幼稚園から認定こども園への移動と、少子化による総数の減少が同時に進む二重の縮小です。限られた子どもと、共働きを前提に園を探す保護者。そのなかで選ばれるかどうかは、園の情報が「見つかり、伝わっているか」に左右されます。

園児が消えたのではなく、預かり保育のある園へ移っている。問われているのは、共働きのいま「この園で何ができるか」が、探している保護者にきちんと届いているか——ただそれだけである。

選ばれる園の、情報発信の優先順位。

ここまでのデータは、園児の減少が「園そのものの良し悪し」だけで決まるわけではないことを示しています。子どもが減り、共働き前提で預かり保育のある園へ移る——この流れのなかで、園の「できること」を保護者に届けられているかが分かれ目です。データからの示唆として、情報発信の優先順位を整理します。

  1. 預かり保育・園の特色を「保護者の言葉」で明示する。延長時間・長期休みの預かり・給食・送迎など、共働き家庭が知りたい実務情報を、園の専門用語ではなく保護者が検索する言葉で書く。「何ができる園か」が一読で分かる状態にする。
  2. 共働き家庭の「下調べ」に載る。園探しはまずスマホで始まる。ホームページ、Googleマップ(地図)、「地域名+認定こども園/預かり保育」での検索——保護者が調べたときに園が見つかり、必要情報にたどり着ける導線を整える。
  3. 在園者・卒園家庭の声を届ける。実際に通わせている家庭の体験は、外からは分かりにくい園の日常を補う。許可を得たうえで、共働き家庭がどう園を活用しているかを具体的に紹介する。
  4. 行事や日常を、SNS・ホームページで継続発信する。単発ではなく、日々の保育の様子や季節の行事を無理のない頻度で更新し続ける。更新が止まっているページは、探している保護者に「今の園」が伝わらない。
  5. 認定こども園への移行を検討する場合も、土台は同じ。制度上の移行を考えるときも、「預かり体制で何ができるか」を保護者に届ける情報発信の設計は共通して必要になる。器の変更と、伝え方の整備は別の作業として両輪で進める。

子どもと保護者は、園に通う当事者であると同時に、「調べて、比べて、選ぶ」生活者でもあります。園児が減り、共働きが前提になったいま、良い保育を実践していることと、それが探している家庭に届く状態をつくることは別の仕事です。この両輪が、限られた子どものなかで「選ばれる園」と、そうでない園を分けていきます。

Sources / 出典

  1. 文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」(2024/12/18公表・調査期日2024/5/1・幼稚園の在園者〈園児〉数75万8千人〈前年度より8万4千人減少〉/幼保連携型認定こども園の在園者数85万8千人〈前年度より1万5千人増加・過去最多〉・園数7,321園/幼稚園の在園者数は1978年度をピークに漸減し、2023年度に初めて幼保連携型認定こども園の在園者数が幼稚園を上回った/2026-07-15閲覧) — https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/2024.htm
  2. こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」(2025公表・調査期日2025/4/1・保育所等を利用する児童数2,678,417人〈前年比−26,641人・−1.0%〉・定員充足率88.4%〈前年比−0.4ポイント〉/2026-07-15閲覧) — https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/torimatome/r7/

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