DATA-DRIVEN MEDIA  /  「選ばれる時代」の集客を、客観データで解き明かす。
Nest Lab. 選ばれる時代の研究室 無料AI診断
業種データ / 保育・教育 まず読む1本

「入れる園」から、
「選ばれる園」へ。

Nest Lab業種データ / 保育・教育2026.07.15出典6件

保育所等を利用する児童は268万人へ減り、定員充足率は88.4%。待機児童は2,254人までほぼ解消

保育所等を利用する児童の数は、令和7年4月1日時点で2,678,417人(前年比▲26,641人・▲1.0%)。ピークを過ぎ、少子化を映して減り始めています。定員は約303万人あるのに利用は約268万人で、定員充足率は88.4%(前年比▲0.4pt)。かつて社会問題だった待機児童は2,254人まで減り、多くの地域で「入れるかどうか」の時代は終わりつつあります。同じころ、幼稚園児は1年で8万4千人減少し、預かり保育のある幼保連携型認定こども園は過去最多へ。放課後等デイサービスは事業所2万超まで急拡大しました。共通して起きているのは、保護者が「複数の園・事業所を、まずネットで調べて比べる」時代への移行です。保育園・幼稚園・認定こども園・放課後等デイサービスの出発点として、公表データを整理します。

いま、保育・教育で起きていること——「定員は埋まらない」「待機児童はほぼ解消」。

まず、保育の側です。こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」によると、保育所等の利用定員は3,029,282人(対前年▲15,396人・▲0.5%)、実際に利用する児童は2,678,417人(対前年▲26,641人・▲1.0%)。定員より利用が少なく、定員充足率は88.4%に下がりました。施設数は39,975か所(+170か所・+0.4%)と微増で、器は増えても子どもは減っている構図です。そして、長く社会問題とされてきた待機児童は2,254人(前年比▲313人)。待機児童のいる市区町村は211にとどまり、全国の多くの地域では「希望すれば入れる」状態に近づいています。

幼稚園はさらに変化が鮮明です。文部科学省「令和6年度学校基本調査」では、幼稚園の在園者は75万8千人で、前年度より8万4千人の減少。一方、預かり保育など共働き家庭に対応した幼保連携型認定こども園は85万8千人で、前年度より1万5千人増え過去最多となりました。幼稚園の在園者数は1978年度をピークに減り続け、2023年度には初めて認定こども園の在園者が幼稚園を上回りました。子どもの総数が減るなかで、選ばれる園のかたち自体が動いています。

この二つの数字が同時に起きる意味は、はっきりしています。「定員が埋まらない」「待機児童がほぼ解消」した地域では、園は黙っていても子どもが集まる立場ではなくなったということです。保護者は複数の選択肢のなかから園を選べるようになり、その分だけ、園の側は「選ばれるための情報発信」が経営に直結し始めています。

数字で見る、保育・教育の現在地。

保育・教育の環境を、公表データで並べます(統計ごとに対象・年次が異なる点にご注意ください)。

268万人

保育所等を利用する児童数(2,678,417人・令和7年4月1日・前年比▲1.0%)。定員は約303万人で、定員充足率は88.4%(前年比▲0.4pt)

出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」(2026-07-15閲覧)cfa.go.jp

2,254

全国の待機児童数(令和7年4月1日・前年比▲313人)。待機児童のいる市区町村は211にとどまり、「入れるかどうか」の局面は多くの地域で終わりつつある

出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」(2026-07-15閲覧)cfa.go.jp

幼稚園と幼保連携型認定こども園の在園者数(令和6年度・万人)

幼保連携型認定こども園(過去最多)85.8万人
幼稚園(前年度より8.4万人減)75.8万人

出典:文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」(2024/12/18公表・調査期日2024/5/1・2026-07-15閲覧) mext.go.jp

一方で、需要が急拡大している領域もあります。障害のある子どもが通う放課後等デイサービスは、事業所数21,411か所・利用者345,741人(国保連・令和6年3月実績)。費用額は令和5年度に約5,306億円にのぼり、障害児支援全体の総費用額の65.8%を占めます。平成24年度から令和5年度にかけての費用額の伸びは11.1倍で、児童発達支援(5.7倍)を大きく上回りました。就学前の児童発達支援も事業所約1万2,000か所・利用者約15万人(令和4年度)へ広がっています。子どもの総数が減るなかで、この分野だけは「事業所が増え、比べられる」局面に入っています。

21,411か所

放課後等デイサービスの事業所数(国保連・令和6年3月実績)。利用者345,741人。費用額は約5,306億円(令和5年度)で、平成24年度からの伸びは11.1倍

出典:こども家庭庁「こども施策及び障害児支援施策の最近の動向について」(2024/12/25検討会資料・国保連令和6年3月実績/令和5年度費用額・2026-07-15閲覧)cfa.go.jp

この数字が意味すること——保護者は「見学の前」にネットで調べている。

定員が埋まらない園も、事業所が増えて比べられる放課後等デイも、共通するのは「保護者に選ばれる」という同じ課題です。そして、その保護者の行動は、すでにネットへ移っています。フレーベル館が妊娠中〜小学3年生の子を持つ保護者772名に行った調査(2022年)では、園を調べる際に参考にしたものの1位は「園のホームページ」で約60%、「市区町村のHPの施設紹介ページ」が約40%でした。多くの保護者が、見学や説明会に足を運ぶ前に、まずネットで園を調べています

約60%

園を調べる際に「園のホームページ」を参考にした保護者の割合(1位)。「市区町村のHPの施設紹介ページ」は約40%(複数選択・n=772)

出典:フレーベル館「園選びに関する保護者の意識調査」(2022/2/14〜3/14・妊娠中〜小学3年生の子がいるASOPPA!会員772名・2026-07-15閲覧)froebel-kan.co.jp

ただし、同じ調査では、園を調べた時点で各園の考え方の違いが「なんとなくわかった」にとどまる保護者が約60%(園を調べた674名)でした。ネットで調べてはいるが、違いまでは伝わりきっていない。そして、見学や説明会で保護者が最も重視して確認しようとするのは「園の雰囲気」で、共感を得た理由は「園生活のエピソードなど具体的な事例」「先生がどう関わっているかを具体的に示してくれた」こと——つまり、キャッチーな標語より具体性でした。ホームページで雰囲気と具体的な日常が伝わるほど、「まず見学に行きたい園」の候補に入りやすくなります。

保護者は、園を嫌って選ばないのではない。見学の前に調べたとき、その園の「雰囲気」と「日常」が見えなければ、比べる候補にすら入らない——それだけで、選択肢から静かに外れていく。

そして、探し方そのものが「AIに聞く」へ動き始めている。

もう一つの変化が、探し方そのものです。検索で生成AIを使う人は37.0%という調査があります。※保育・教育だけを対象にした調査ではなく、全国10〜60代9,278名を対象にした、業種を問わない検索行動の調査です。「〇〇市 保育園 見学」「近くの 放課後等デイ 空き」のようにAIへ尋ねる保護者が現れ、AIの回答が比較の入口になる場面も出始めています。

37.0%

検索での生成AI利用率(全国10〜60代9,278名・業種を問わない一般調査)。保育・教育に限った数値ではない

出典:CyberAgent「GEOラボ」第三弾(業種を問わない検索行動の調査)cyberagent.co.jp

AIの回答は、園・事業所の地図情報・ホームページ・クチコミ・第三者の言及を材料に組み立てられることがあります。だから、保護者に向けて雰囲気と日常が伝わる情報を整えることは、そのまま「AIに引用・推薦されやすい材料を整えること」にもつながります。

データから導く、対策の優先順位。

この構図を踏まえると、保育園・幼稚園・認定こども園・放課後等デイサービスの打ち手には、優先順位をつけられます。

  1. 園・事業所情報の基本整備(ホームページ・Googleビジネスプロフィール)——名称・所在地・連絡先・受け入れ年齢やサービス種別(保育/預かり保育/放課後等デイ等)・見学の受付を正確にそろえる。保護者はまず名前と地域で検索する。
  2. 「雰囲気」と「日常」が見える発信——園内の写真・1日の流れ・先生の様子・行事の記録。見学の前に伝わるほど、候補に入りやすい。子どもが写る写真は保護者の同意を前提に。
  3. 理念は、標語でなく具体的なエピソードで——保護者が共感するのは「具体的な事例」「先生の関わり方」。抽象的な言葉より、実際の場面が伝わる書き方を。
  4. クチコミ・保護者の声の運用——投稿への丁寧な返信で園の姿勢を示し、プライバシーへの配慮を前提に第三者の声を積み重ねる。
  5. AIに引用・推薦されやすい材料づくり(GEO/AIO)——正確な園情報・クチコミ・第三者の言及は、生成AIの回答の材料にもなる。1〜4の積み重ねが、新しい探し方への備えになる。

まとめ——この業界の「選ばれ方」をひとことで言うと。

保育所等の利用児童は268万人へ減り、定員充足率は88.4%、待機児童は2,254人までほぼ解消。幼稚園児は8.4万人減り、預かりのある認定こども園と、事業所2万超の放課後等デイに需要は動いている。共通するのは、保護者が見学の前にネットで調べ(園のHP約60%)、伝わるのは標語でなく「雰囲気」と「具体的な日常」だということ。園・事業所情報の整備と、雰囲気が見える発信が、規模を問わずその土台になる。

Sources / 出典

  1. こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」(利用定員3,029,282人〈▲15,396人・▲0.5%〉・利用児童2,678,417人〈▲26,641人・▲1.0%〉・定員充足率88.4%〈▲0.4pt〉・待機児童2,254人〈▲313人〉・保育所等数39,975か所〈+170〉/2026-07-15閲覧) — https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/torimatome/r7/
  2. 文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」(2024/12/18公表・調査期日2024/5/1・幼稚園在園者75万8千人〈前年度より8万4千人減〉・幼保連携型認定こども園85万8千人〈+1万5千人・過去最多〉・2023年度に認定こども園が幼稚園を上回る/2026-07-15閲覧) — https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/2024.htm
  3. こども家庭庁「こども施策及び障害児支援施策の最近の動向について」(2024/12/25検討会参考資料・国保連令和6年3月実績/令和5年度費用額・放課後等デイ事業所21,411か所・利用者345,741人・費用額約5,306億円〈障害児支援全体の65.8%〉・費用額の伸びは平成24→令和5年度で放デイ11.1倍・児童発達支援5.7倍/2026-07-15閲覧) — https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0bc96f5f-25e1-4023-9947-d0c739f4f9c1/37b4ea8b/20241225-councils-support-personnel-01-07.pdf
  4. フレーベル館「園選びに関する保護者の意識調査」(2022/2/14〜3/14・インターネット調査・妊娠中〜小学3年生の子がいるASOPPA!会員772名・園を調べる際「園のホームページ」約60%〈1位〉・「市区町村のHP施設紹介ページ」約40%・調べた時点で違いが「なんとなくわかった」約60%〈n=674〉・見学で最重視は「園の雰囲気」/2026-07-15閲覧) — https://www.froebel-kan.co.jp/pdf/service/web_service/園選びに関する保護者の意識調査.pdf
  5. 明日香(子ねくとラボ)「保育園選び」調査(2021/1/19〜20・保育園児を持つ保護者100名・決め手1位「家からの距離」65.0%・2位「子ども同士の雰囲気」32.0%・3位「認可/認可外」29.0%・満足度92.0%/2026-07-15閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000043389.html
  6. CyberAgent「GEOラボ」第三弾(2026/3/5公表・検索での生成AI利用率37.0%・全国10〜60代9,278名・業種を問わない検索行動の一般調査/2026-07-15閲覧) — https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33041

保育・教育業界の専用記事

専用 全3本

保育・教育業界のために書き下ろした、この業界だけのデータ記事です。

あわせて読みたい、共通のデータ記事

保育・教育業界に関連
採用 / 応募前の行動2026.06.28

応募の前に、会社は調べられている。

転職活動中の99.2%が企業ホームページを閲覧し、クチコミを見る人の91%は応募前に確認しています。情報が無い・古い会社が応募の手前で候補から外れる実態を、国内の調査データで解説します。

READ
Web制作 / 更新2026.06.27

「最終更新◯年前」は、静かにお客様を減らす

更新が止まったサイトは「営業しているか不安」49.8%・「取引したくない」32.6%。営業時間が古ければ36.0%が別の店へ。情報の鮮度が信頼を左右します。

READ
Web制作 / フォーム改善2026.06.20

「問い合わせたい」を、フォームで逃さない。

フォーム到達者の7割超が入力完了せず離脱。理由は10年間「項目が多い」が1位。1項目減で通過率+2%pt。改善の定石と窓口複線化を解説。

READ
クチコミ / 返信2026.06.18

クチコミ返信は、次のお客様へのラブレター。

悪い口コミを見た人の67%が、お店の返信対応までチェック。まごころ型の返信で来店意向は31.7%→59.3%とほぼ2倍。返信は“次のお客様”への接客です。

READ
AI検索 / GBP2026.06.07

Googleマップで選ばれる店は、写真とクチコミを整えている。

マップで探した73.5%が来店。来店直前にGBPを最終確認する人は62.8%、決め手は順位より「クチコミ・写真」。

READ
SNS / Instagram2026.05.30

Instagramは、若年層の「検索エンジン」になった。

Z世代女性の情報源はInstagramが64.6%で、検索エンジン28.8%を上回る。止まらない発信が「生きているお店」の証明に。

READ
AI検索 / MEO2025.12.20

お店選びは、Googleマップで決まる。

店舗探しの手段はGoogleマップ・検索が60.2%で最多。マップで探した人の約73%が来店。地図とクチコミが来店を左右する。

READ
Web制作 / 信頼性2025.09.22

第一印象とHTTPSが、信頼を左右する。

人は約50ミリ秒で見た目を評価し信頼を判断。HTTPSは安全性とSEOの前提。信頼されるサイトは「設計」されている。

READ
AI検索 / 指名検索2025.09.06

「店名で検索される」が、最強の資産。

指名検索はCVが約12倍。ブランド言及量はAI Overviewsの可視性とも強く相関。指名される状態が土台。

READ

あなたの園は、
見学の前に見つけてもらえていますか?

園・事業所のホームページ、地図情報、クチコミが、保護者からどう見えているか。無料で診断し、優先順位をレポートにしてお届けします。

無料AI診断を申し込む