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保育・教育 / 園選び

園選びは、見学の前に
始まっている。

Nest Lab保育・教育 / 園選び2026.07.15出典3件

園を調べる保護者の約60%が「園のホームページ」を参考にする

認可保育所の定員は、全国平均で埋まりきらなくなりました。こども家庭庁の集計では、定員に対して実際に子どもが入っている割合(定員充足率)は88.4%(令和7年4月1日時点)。園が子どもを迎え入れる時代から、保護者に園が「選ばれる」時代へと、静かに移り変わっています。そして選ぶ側の保護者は、見学に申し込む前に、まずインターネットで園を調べています。園を調べるときに参考にしたものの1位は「園のホームページ」約60%(フレーベル館・N=772)。見学に呼べるかどうかは、ホームページと『雰囲気が伝わる情報』で、すでに動き始めています。本記事では、その現在地を大手・公的調査のデータで整理します。

保護者は、見学の前に「ネットで園を調べている」。

園選びは、見学予約の電話から始まるわけではありません。フレーベル館が妊娠中〜小学3年生の子どもがいる保護者772名に行った意識調査(2022年2〜3月・インターネット調査)では、園を調べるときに参考にしたもの(複数選択)の1位は「園のホームページ」で約60%。2位の「市区町村のホームページの施設紹介ページ」約40%を上回りました。多くの保護者は、まず園そのものの発信を、次に自治体の情報を見に行きます。

約60%

園を調べるときに参考にしたもの(複数選択)の1位は「園のホームページ」。2位「市区町村のHPの施設紹介ページ」約40%を上回る

出典:フレーベル館「園選びに関する保護者の意識調査」(2022/2〜3・インターネット調査・N=772)froebel-kan.co.jp

園を調べるときに参考にしたもの(複数選択・上位)

園のホームページ約60%
市区町村のHPの施設紹介ページ約40%

出典:フレーベル館「園選びに関する保護者の意識調査」(2022/2〜3・N=772・複数選択) froebel-kan.co.jp

しかもホームページは、単なる連絡先の確認先ではありません。同じ調査で、園を調べた人(N=674)の約60%が、調べた時点で各園の保育の考え方の違いが「なんとなくわかった」と答えています。裏を返せば、ホームページの中身次第で、保護者は見学の前に「この園はうちに合いそうか」を判断し始めている、ということです。入口は、電話でも見学でもなく、画面の中にあります。

定員は、静かに埋まらなくなっている。

この「調べてから選ぶ」行動が重みを増している背景には、定員の状況があります。こども家庭庁の「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」によると、保育所等の定員充足率は88.4%で、前年から0.4ポイント低下しました。地域差は大きいものの、全国平均で見れば定員に空きが生まれ、園が保護者に「選ばれる」側に回りつつあります。

88.4%

保育所等の定員充足率(令和7年4月1日時点・前年比-0.4pt)。定員に空きが生まれ、園が「選ばれる」側に回りつつある

出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」(2025公表)cfa.go.jp

選ばれる側に回るとき、最初の接点はやはりインターネットです。定員に空きがある園ほど、見学や問い合わせにつなげる入口——ホームページや地図情報——が整っているかどうかが、実際の申し込み数に影響します。園の日々の営みがどれだけ丁寧でも、それが調べたときに見当たらなければ、保護者の比較の土俵にすら乗りません。定員を埋める力は、その中身を『伝わる形にしているか』にも左右されるようになりました。

保護者が見たいのは、「園の雰囲気」と具体的な様子。

では、調べた保護者は次に何を確かめようとするのでしょうか。フレーベル館の調査では、見学や説明会で「最も重視して確認しようと思ったこと」の1位は「園の雰囲気」、次いで「園の先生の対応」でした。設備や条件よりも先に、保護者は「どんな空気の中で、先生がどう子どもに関わっているか」を見に来ます。

同じ調査は、理念や方針に共感できた理由も尋ねています。挙がったのは「園生活のエピソードなど具体的な事例の説明」「先生がどう関わっているかを具体的に示してくれたこと」。洗練されたキャッチコピーよりも、具体的な様子のほうが保護者の心を動かしていました。

保護者が知りたいのは、立派な理念の言葉ではなく、「うちの子が、どんな一日を過ごすのか」。その具体的な様子が伝わるかどうかが、見学に足を運んでもらえるかを分けている。

保護者100名に聞いた明日香の調査(回答100名)でも、傾向は重なります。保育園を選んだ決め手の1位は「家からの距離」65.0%。変えられない立地が最大の要因ですが、続く2位は「子ども同士の雰囲気」32.0%、3位は「認可・認可外」29.0%でした。距離の次に効くのが「雰囲気」であり、これは園の側が発信で伝えられる要素です。なお同じ調査では、現在の園に満足している保護者が92.0%(「とても満足」29.0%+「満足」63.0%)。いったん入園すれば満足度は高い——だからこそ、その手前の『見学に呼べるか』が、園選びの分かれ目になります。

見学に呼ぶための、情報整備の優先順位。

ここまでのデータは、園選びが見学の前から始まっていることを示しています。約60%がまず園のホームページを見て、定員充足率は88.4%まで下がり、保護者が確かめたいのは「雰囲気」と具体的な様子。だとすれば、見学に呼ぶために整えるべき情報の順番も見えてきます。データからの示唆として、優先順位を整理します。

  1. 園のホームページで「雰囲気」を見せる。参考にされる情報の1位はホームページ。文字の説明だけでなく、園内や活動の写真1日の流れ先生の様子が伝わるページを用意する。保護者が最も見たい「雰囲気」を、見学の前に画面で感じてもらう。
  2. 理念は、抽象語ではなく具体的なエピソードで。共感を生んだのはキャッチコピーではなく「園生活の具体的な事例」「先生の関わり方の具体例」。方針を掲げるだけでなく、実際の一場面を添えて伝える。
  3. Googleビジネスプロフィール・地図情報を整える。園名で検索・地図表示したときに出る情報(写真・所在地・受付時間・問い合わせ先)を最新に保つ。調べたときに正しく表示される状態が、見学への入口になる。
  4. 口コミと、見学予約の導線を用意する。保護者の声が見える状態を整え、ホームページから見学予約・問い合わせまでの導線を分かりやすくする。関心を持った瞬間に、次の一歩を踏み出せるようにする。
  5. 市区町村の施設紹介ページの情報を最新に。2番目に参考にされるのは自治体の施設紹介ページ(約40%)。定員・受け入れ年齢・連絡先などの掲載情報が古くないかを定期的に確認し、更新を依頼する。

保護者は、園を利用する当事者であると同時に、「調べて、比べて、選ぶ」生活者でもあります。定員が埋まりにくくなったいま、園の姿勢や日々の様子がどれだけ良くても、それが調べたときに伝わっていなければ、見学の候補にすら入りません。日々の保育と、その様子を見学の前に伝える情報整備——この両輪が、これからの園選びで「見に来てもらえる園」を支えていきます。

Sources / 出典

  1. フレーベル館「園選びに関する保護者の意識調査」(2022/2/14〜3/14実施・インターネット調査・N=772〈妊娠中〜小学3年生の子どもがいるASOPPA!会員〉・園を調べる際に参考にしたもの1位「園のホームページ」約60%/2位「市区町村のHPの施設紹介ページ」約40%〈複数選択〉・園を調べた人N=674の約60%が保育の考え方の違いを「なんとなくわかった」・見学/説明会で最も重視は「園の雰囲気」〈次いで「園の先生の対応」〉・理念に共感した理由は「園生活のエピソードなど具体的な事例の説明」/2026-07-15閲覧) — https://www.froebel-kan.co.jp/pdf/service/web_service/園選びに関する保護者の意識調査.pdf
  2. 明日香「保育園選び」調査(2021/1/19〜20実施・回答100名・保育園を選んだ決め手1位「家からの距離」65.0%/2位「子ども同士の雰囲気」32.0%/3位「認可・認可外」29.0%・現在の園に満足92.0%〈「とても満足」29.0%+「満足」63.0%〉/2026-07-15閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000043389.html
  3. こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」(2025公表・保育所等の定員充足率88.4%〈前年比-0.4pt〉/2026-07-15閲覧) — https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/torimatome/r7/

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