「AIに聞く」の主役はChatGPT——それは事実です。でもその隣で、もう一つの変化が静かに進んでいます。回答の下に、参照したWebページへのリンク(出典)をずらりと並べるAI検索の台頭です。代表格はPerplexity(パープレキシティ)。出典が表示されるということは、「どのWebページが引用されたか」がお客様に見えるということ。AI検索の伸びは、引用される側——つまり、あなたのWeb情報の質の勝負でもあります。
Perplexityは、検索に特化した生成AIサービスです。質問に文章で答えると同時に、根拠となったWebページへのリンクを回答に添えて表示します。その利用は海外で急伸中。CEOのアラヴィンド・スリニヴァス氏は2025年6月、2025年5月の1か月だけで約7.8億件のクエリ(質問)を処理し、月あたり20%のペースで成長していると明かしました(海外・参考)。単純に12倍すれば年90億件を超えるペース。「出典を示すAI検索」は、もうニッチな実験ではありません。
7.8億件
Perplexityが1か月間に処理した検索クエリ数(2025年5月・前月比+20%成長・海外/参考)
出典:Search Engine Land(2025/6・海外・二次)=CEOのイベント発言を報道searchengineland.com
「海外の話でしょう?」——そうではありません。ソフトバンクは2024年6月17日、Perplexityとの戦略的提携を発表。通常年額2万9,500円〜の有料版「Perplexity Pro」を、ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOのユーザーに1年間無料で提供しました(申し込みは同年6月19日開始)。高機能なAI検索が「携帯の特典」として一般の生活者に配られた——日本のAI検索普及にとって、大きな転機です。プレスリリースは、このサービスの本質をこう説明しています。
インターネット上の最新情報を基にした精度の高い回答が文章で提示される他、情報源が併せて表示されるため、信頼性の高い回答を得ることができます。——ソフトバンク プレスリリース(2024年6月17日)より
「情報源が併せて表示される」。これが従来の検索ともChatGPT的な対話AIとも違う、この型のAI検索の核心です。法人利用も進み、2024年10月時点で日本でも1,500社以上が利用していると報じられています(二次)。
では、日本で実際どれくらい使われているのか。データマーケティング企業のインティメート・マージャーが、自社データ基盤で生成AIの利用が確認された国内38万3,132端末(2025年6月29日〜7月29日)を分析したところ、Perplexityの利用者は52,875と、ChatGPT(293,614)に次ぐ2番手。Gemini(33,447)やClaude(3,196)を上回る規模でした。同調査はPerplexityの利用者像を「専門的な情報収集や調査を目的とした利用が中心」と分析しています。人数ではChatGPTに及ばなくても、"本気で調べる人"に選ばれているのです。
国内の生成AI利用38.3万端末の内訳——Perplexityは2番手(2025年6〜7月)
出典:インティメート・マージャー「生成AI利用者 約38万件のデータ分析」(2025/7) intimatemerger.com
ただし、この序列は固定ではありません。同社の再調査(2025年12月〜2026年1月)では、ChatGPTが81万件超と首位を固める一方、Geminiが急成長し、Perplexityと拮抗する位置まで浮上。Perplexityは「キャンペーン実施時期に合わせて利用者数が増減する傾向」とも分析されています(二次)。つまり日本のAI検索の勢力図は、まだ動いている最中。特定の1社に賭けるのではなく、どのAI検索にも拾われる備えが要る、ということです。
出典を示すAI検索は、どんな場面で使われているのか。Perplexityがハーバード大学の研究チームと共同で、同社のAIブラウザ「Comet」の利用データ数億件を分析した研究(2025年12月公開・海外)では、利用の57%が「認知タスク」——生産性向上(36%)と学習・リサーチ(21%)——でした。雑談相手ではなく、調べて考えるための道具として定着しつつあります。さらに同社CBOのシェヴェレンコ氏によれば、ユーザーの質問の45%は1回で終わらず、追加の質問(深掘り)につながるといいます。出典を確かめながら、質問を重ねて絞り込む——だからこそ、根拠として示せる「質の高いWebページ」が回答の材料に選ばれ続けるのです。
57%
AIブラウザ「Comet」利用の57%が"調べる・考える"認知タスク(生産性36%+学習・リサーチ21%)
出典:Perplexity×ハーバード大学 AIエージェント利用実態研究(2025/12・海外・数億件分析)prtimes.jp
出典を示すAI検索では、回答面に自社の名前やページが載る方法はただ一つ、AIに「引用される」ことです。検索結果の1位〜10位のような"枠"はなく、AIが根拠にできると判断した少数のページだけが、出典として画面に並びます。そしてこの構図はPerplexityだけのものではありません。Google検索の「AIモード」も、回答とともに参照リンクを表示する方向に進んでいます。どのAI検索が主役になっても、備えは共通です。①事実が正確で最新の一次情報をWeb上に持つこと。②AIが読み取れる形に構造化すること。③クチコミなど第三者の評価を積み上げること。この3点は、当メディアがChatGPT・Gemini・GEO(生成AI検索最適化)の記事で繰り返し確認してきた結論と、そのまま重なります。
「出典」は買えません。引用されるかどうかは、Web上の情報の質と信頼で決まる。今日の情報整備が、そのまま明日の可視性になる——出典を示すAI検索の台頭は、正直に情報を積み上げてきたお店への追い風です。
あなたのお店は、
AIの「出典」に選ばれていますか?
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