派手な機能も、短尺動画もない。文字を打つだけの地味なSNS——それがThreads(スレッズ)です。ところが、この「テキストSNS」が国内で静かに、しかし着実に伸びています。話題になりにくいのに数字は伸びている。そこに、見落とされている活用余地があります。
Threadsは2023年7月に登場した、Meta(Instagram)が運営するテキスト中心のSNSです。サービス開始から数か月後の2023年11月時点で国内利用者は1,071万人(ニールセン デジタル調べ)。そして2年後の2025年8月時点では1,230万人、2年間で222%増(ヴァリューズ調べ・国内30SNSアプリのMAU比較)まで伸びました。瞬間風速で終わらず、ローンチ直後の規模をさらに上回り続けているのが特徴です。
1,230万人
国内Threads月間アクティブユーザー(2025年8月時点・2年間で222%増)
出典:ヴァリューズ「2025年最新 SNSユーザー数ランキング(全30サービス)」(2025/10・Dockpit・国内30SNSアプリのMAU)valuesccg.com
国内Threads利用者数の推移(調査主体が異なる点に注意)
出典:ニールセン デジタル(2023/11・約6人に1人のInstagramユーザーが利用) webtan.impress.co.jp/ヴァリューズ(2025/8) valuesccg.com。調査会社・手法が異なるため単純比較ではなく傾向としてご覧ください。
国内の伸びは、世界的なうねりの一部です。InstagramのトップであるAdam Mosseri氏は、2025年8月、ThreadsのグローバルMAU(月間アクティブユーザー)が4億人を突破したと発表しました。直前の四半期(約3.5億人)から1四半期で約5,000万人増。さらに、外部調査ではモバイルアプリの世界デイリーアクティブユーザーが2025年6月時点で約1.15億人(前年比+127.8%)と、Xに迫る勢いで増えています。テキストSNSは「終わった市場」ではなく、いま最も伸びている市場のひとつです。
4億人超
Threadsの世界MAU(2025年8月・Instagram責任者 Mosseri氏発表/前四半期3.5億→4億)
出典:TechCrunch「Threads now has more than 400 million monthly active users」(2025/8/12・海外)techcrunch.com
なぜ伸びているのか。背景のひとつが、Xの運営方針に違和感を覚えたユーザーの移行先(受け皿)になっていることです。国内のSNS利用そのものも拡大が続いており、SNS利用者は2024年末で8,452万人(ネットユーザーの79.0%)、2026年末には8,550万人・80.1%に達する見通し(ICT総研)。「文字で発信したい」需要の総量が増えるなか、Instagramのアカウントでそのまま始められるThreadsは、新規の受け皿として有利な位置にいます。
Threadsの強みは「ゼロから始めなくていい」こと。既存のInstagramのつながりを土台に、テキスト発信を上乗せできる——これが立ち上がりの速さの正体です。
使われ方を見ると、活用余地が見えてきます。国内Threadsユーザーは20代が24.8%と最多、男女比は男性約46%・女性約54%とほぼ半々。一方で月1〜5日の起動にとどまるライトユーザーが57%と過半数を占めます(ヴァリューズ調べ)。つまり「登録はしたが、まだ濃く使っていない」層が中心。毎日きちんと発信する企業・店舗アカウントがまだ少ないということでもあり、雑談・思考整理・軽い日記のような等身大のテキスト発信で先行できる余地が、いまはまだ残っています。
国内Threadsユーザーの内訳(2025年8月・ヴァリューズ)
出典:ヴァリューズ「2025年最新 SNSユーザー数ランキング」(2025/10・Dockpit・20歳以上男女) valuesccg.com
Threadsは、バズや短尺動画のような派手さがありません。だからこそ話題になりにくく、見送られがちです。しかし数字は明確に伸びている——国内で1,000万人超、世界で4億人超。テキストSNSは再評価のフェーズに入っています。InstagramやXと役割を分け、「日々の言葉」で関係をつくる場所として早めに置いておく。それが、いま静かに伸びているSNSとの正しい付き合い方です。
派手に伸びているSNSには、もう人が集まっている。静かに伸びているSNSにこそ、まだ空いた席がある。