Nest Lab編集長の佐々木です。最近、改めて考えていることがあります。この22年で、集客の手法はいったい何度変わっただろう、と。チラシ、ホームページ、ブログ、食べログ、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTok、Googleマップ、そして生成AI——。媒体もトレンドも、目まぐるしく移り変わってきました。でも、その裏側で、変わらずに続いている「ある問題」があります。
新しい手法が登場するたびに、対応できるお店と、できないお店の差が、少しずつ開いていきます。ITに強い若い経営者や、大きな会社は、新しい波にすぐ乗れます。けれど、私が向き合ってきた多くの店主さんは違います。目の前のお客様に誠実に向き合うだけで、毎日が精一杯なのです。新しいことを学ぶ時間も、気軽に相談できる相手も、なかなかいません。
これは、地方でも、郊外でも、都心でも、まったく同じです。場所の問題ではありません。むしろ、真面目に良い仕事をしているお店ほど、発信が後回しになりがちです。「いいものを作っていれば、いつか伝わる」——その職人気質こそが、皮肉にも、変化の時代では不利になってしまう。私はそれが、本当にもどかしいのです。
努力していないんじゃない。情報が、届いていないだけなんです。
いま、「この近くで、いい店ある?」とAIに尋ねる人が、確実に増えています。そして、そのAIの答えに自分のお店の名前が載るかどうかで、これからの来店数は大きく変わっていきます。Googleマップの見え方も、SNSでの見つけられ方も、同じです。
怖いのは、これらの多くが「知っていれば打てた手」だということです。難しい技術の話ではありません。ほんの少し、いまの仕組みを知って、整えるだけ。それだけで結果が変わるのに、知らないというだけで、その機会をまるごと逃してしまう。長年かけて築いた信頼があるお店が、「伝え方を知らない」という理由だけで選ばれなくなる。こんなにもったいないことはありません。
変化は、たしかに脅威に見えます。でも、正しく知れば、変化はむしろ小さなお店の味方になります。SNSもAIも、本来は資本の大小に関係なく、誰にでも開かれた場所です。むしろ、これまで大手にかなわなかった個人店が、工夫次第で同じ土俵に立てる——そんなチャンスでもあるのです。
だからこそ私たちは、煽りません。「今すぐやらないと手遅れだ」と不安を煽って動かすやり方を、私はしたくない。お見せするのは、誰もが確認できる事実だけ。その事実を見て、ご自身で「これはやってみよう」と思っていただく。Nest Labは、その「正しく知る」を、ひたすら誠実にお手伝いする場所です。
次回は、いよいよこの連載の核心——「選ばれる」の本当の意味についてお話しします。データやAIの話の、さらにその奥にある一番大切なことを、お伝えさせてください。