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絆コラム / 随筆

通りかかった商店街で、
足が止まった。

佐々木絆コラム / 随筆2025.10.09読了 約3分

Nest Lab編集長の佐々木です。連載の合間に、その時々で感じたことも、気ままに綴らせてください。今日は、先日の朝に見た、ある風景の話を。

シャッターの下りた、あの店。

用事があって、久しぶりに昔よく歩いた商店街を通りました。朝の早い時間で、人通りはまばら。そのなかで、ふと足が止まりました。よく総菜を買っていた小さなお店のシャッターが、下りていたのです。閉店の張り紙もない。いつの間にか、静かに。

あの店のコロッケが、私は好きでした。揚げたてを新聞紙にくるんでくれる、気のいいご主人の顔も覚えています。味は、本当に良かった。だからこそ、シャッターの前でしばらく動けませんでした。

「悪い店」では、なかった。

あの店が消えたのは、味のせいではありません。きっと、自分の良さを新しい時代の伝え方で届ける術を持たないまま、少しずつお客様との接点を失っていった——それだけのことだったのだと思います。

こういう風景を見るたびに、私は、いまの仕事の意味をまた噛みしめます。データやAIの話をしているけれど、その根っこにあるのは、いつもこの気持ちです。

いい店ほど、自分の良さを伝えるのが苦手だったりする。だからこそ、私たちがいる。

だから今日も、目の前のお店の「伝わる」を、ひとつずつ整えていく。あの商店街のことを思い出しながら、そんなことを考えた朝でした。

佐々木
佐々木株式会社KIZUNA CMO / Nest Lab 編集長。22年にわたり、地域の店舗・中小事業者の集客を支援。

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