お客様が新しい美容室を探すとき、最初に開くのはInstagramかもしれません。15〜24歳の女性が「行ってみたい場所・体験」を見つける情報源は、Instagramが64.6%で最も多く、検索エンジン(28.8%)の倍以上。最も使うSNSもInstagram(89.6%)です。予約はホットペッパービューティーが軸である一方、「どの店に行くか」「誰に切ってもらうか」を決める段階では、スタイル写真とスタイリスト個人の発信が見られています。本記事では、美容室がSNSでどう選ばれているのかを、公的統計と大手調査で整理します。
SHIBUYA109 lab.が一都三県の15〜24歳女性413名に行った調査(2025年7月)によると、「行ってみたい場所・体験」を見つける情報源として最も多く挙がったのはInstagram(64.6%)。TikTok(39.0%)、X(35.1%)を上回り、検索エンジン(28.8%)の2倍以上です。若年層にとって、お店選びの入口はすでに検索ではなくSNSに移りつつあります。
64.6%
15〜24歳女性が「行ってみたい場所・体験」を探す情報源としてInstagramを挙げた割合。検索エンジン(28.8%)の2倍以上で最多
出典:SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNS利用最新動向2025」(2025/8公表・一都三県の15〜24歳女性413名)shibuya109.co.jp
そもそも、この世代が日常的に使うSNS自体がInstagram中心です。同調査で「利用しているSNS」の首位はInstagram(89.6%)。動画配信サービス(86.2%)、X(69.0%)、TikTok(60.8%)が続きます。ヘアスタイルやサロンの雰囲気は、テキストよりも写真・動画で伝わる情報です。ビジュアルが主役のInstagramと、美容室の情報は相性がよいと言えます。
15〜24歳女性が「行く場所・体験」を探すときの情報源(2025年7月)
出典:SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNS利用最新動向2025」(2025/8公表) shibuya109.co.jp
美容室は、リピートが売上を支える一方で、新規のお客様との出会いが経営の生命線でもあります。その「最初の出会い」が生まれる場所が、地図アプリや検索だけでなくInstagramへと広がっている——という現在地です。
もっとも、Instagramで見つけたお客様がそのまま予約するとは限りません。予約の主役はいまもポータルサイトです。電通プロモーションプラス(PROMOTION+B)が15〜34歳498名に行った調査(2025年1月)では、美容の施術を予約するときに使うサービスはホットペッパービューティーが61.8%で最多。楽天ビューティー(22.7%)、minimo(17.9%)が続きます。
61.8%
15〜34歳が美容の施術を予約するときに使うサービスの首位=ホットペッパービューティー。楽天ビューティー(22.7%)・minimo(17.9%)が続く
出典:電通プロモーションプラス/PROMOTION+B「Z世代の『美容予約プラットフォーム』意識調査」(2025/3公表・15〜34歳498名)note.com
重要なのは、その「予約」に至るまでの店選びの判断材料です。同調査で15〜19歳の女性が予約時に重視する点を見ると、「ユーザーの口コミ」を52.5%、「写真がある」ことを41.0%が挙げています。ポータルで予約する人も、その前に写真とクチコミで店を比べている。つまりInstagramの発見と、ポータル・SNS上の写真・クチコミによる比較検討は、対立するのではなく入口と決め手として繋がっているのです。
15〜19歳女性が美容予約時に重視する点(2025年1月)
出典:電通プロモーションプラス/PROMOTION+B「Z世代の『美容予約プラットフォーム』意識調査」(2025/3公表) note.com
お客様は「予約する場所」と「店を選ぶ材料」を分けて使っている。ポータルで予約する人ほど、その手前で写真とクチコミを見比べている。
予約経路がネットに移ったのは、いまに始まったことではありません。リクルート『美容センサス』では、2019年に女性のネット予約(46.1%)が電話予約(36.6%)を初めて上回り、20代女性ではネット予約が70.7%に達しました。スマートフォンで探し、比べ、予約する——という流れが定着したうえに、いま「探す」段階のSNS化が重なっている構図です。
お客様の側の変化に対して、サロン側の発信はどうなっているのでしょうか。マーケティング・リサーチ・サービス(MRS)が美容師経験2年以上の303名に行った調査(2024年11月)では、81%が「何らかのSNSを利用している」と回答。媒体別ではInstagramが57%、LINEが50%で、この2つが定番です。前回(2021年)調査より利用率は上昇し、特にLINEは20ポイント以上伸びました。
81%
美容師の81%が「何らかのSNSを利用している」と回答。媒体別ではInstagram57%・LINE50%が定番(2024年11月)
出典:マーケティング・リサーチ・サービス「美容室のDX・IT活用編(スタイリストアンケートVol.15)」(2025/1公表・美容師経験2年以上303名)mrs.co.jp
InstagramとLINEには役割の違いがあります。Instagramは、ビフォーアフターやヘアカタログ的なスタイル写真で「まだ知らない人」に見つけてもらうための入口。位置情報やハッシュタグをたどって、そのエリア・その髪型を探している人に届きます。一方でLINEは、一度来店した人との関係を保ち「再来店」を促す装置として機能します。新規はInstagram、リピートはLINE——という併用が、いまの美容室の発信の基本形になりつつあります。
そしてスタイル写真は、単なる作品集ではなく「このスタイリストなら、なりたい髪型にしてもらえそう」という信頼の材料です。サロンの立地や価格が近ければ、最後の決め手は「誰が担当してくれるか」。だからこそ、店舗アカウントと並んでスタイリスト個人の発信が、指名や新規来店に直結し始めています。
市場そのものは伸びています。リクルート『美容センサス2025年上期』によると、美容室の市場規模はここ5年で最大の1兆3,884億円、1回あたり利用金額も女性7,668円と最高額です。市場が拡大し、価格が上がるほど、お客様は「どの店を選ぶか」をより慎重に見極めます。ここまでのデータを踏まえると、発信の優先順位は次のように整理できます。
お客様は、顧客と同じ目線で美容室を「調べて、比べて、選ぶ」時代です。スタイル写真とスタイリストの発信は、感性の問題である以前に、新規来店という売上に直結する経営の変数になっています。集客と同じ真剣さで向き合う価値がある領域だと言えます。
その「スタイル写真」、
新規のお客様に届いていますか。
Instagramの投稿・ハッシュタグ・ポータルの写真とクチコミが、髪型を探すお客様にどう見えているか。美容室・サロンの観点から、いまの見つかり方を無料で診断し、優先順位をレポートにしてお届けします。