「うちは口コミが少なくて……」とよく相談されます。でも、ほとんどの満足したお客様は、不満だから書かないのではなく、書くきっかけがないから書かないだけです。クチコミは、待っていても自然には増えません。「いつ・誰に・どう声をかけるか」という“お願いの設計”で、増え方は大きく変わります。
全国6,660名への調査では、過去に口コミを投稿した経験がある人は、飲食店で26.2%、美容サロン・整体で18.7%、スーパーで15.9%。つまり、来店客の7〜8割は一度も口コミを書いていないのが普通の状態です。逆に言えば、ここに大きな“伸びしろ”があります。満足してくれた多くのお客様は、書かないのではなく、書く理由ときっかけを渡されていないだけなのです。
26.2%
飲食店で「口コミを投稿した経験がある」人(裏を返せば約7割超は未投稿)
出典:ONE COMPATH「LocalONE」口コミ投稿に関する意識調査(2022/12・n=6,660)prtimes.jp
では、書いた人は何をきっかけに書いたのか。同じ調査で投稿理由を聞くと、飲食店ではトップが「他の人にもおすすめしたいから」34.8%。次いで「クーポンや割引などの特典があるから」20.3%、「普段からその店舗を応援しているから」17.6%と続きます。つまり人は、おすすめしたい・応援したい・お得という動機で筆を取ります。「レビューを書いてください」とだけ言うより、「あなたの声が、次に迷っている人の助けになります」と伝えるほうが、この動機に火がつきます。
飲食店で口コミを投稿した理由(複数回答)
出典:ONE COMPATH「LocalONE」口コミ投稿に関する意識調査(2022/12・n=6,660)prtimes.jp
「特典があるから」は2割。ただしGoogleは“見返りと引き換えの口コミ”を禁止しています。割引券などの特典は「来店・アンケートのお礼」として渡し、星の数や内容を条件にしないのが安全です。
もうひとつ、お願いの設計で決定的なのがタイミングです。同調査では、投稿のタイミングは全業種・全年代で「訪問後、数日以内」が最多。記憶が新しいうちに動いてもらうのが鉄則です。さらに、店内でその場で投稿する割合は若い世代ほど高く、20代以下では飲食店で25.2%、美容・整体で27.9%、スーパーで32.9%に達します。つまり、会計時にQRを渡して“その場で1タップ”と、来店後にお礼メッセージで“あとから一言”。この二段構えが、どの世代も取りこぼしません。
32.9%
スーパーで「店舗内(その場)で投稿」した20代以下(若年層ほどその場投稿が多い)
出典:ONE COMPATH「LocalONE」口コミ投稿に関する意識調査(2022/12・n=6,660)prtimes.jp
QRコードは、会計待ちやサービス中など「ちょっとした待ち時間」に自然と目に入る場所に置くのが効果的だとされます。レジ横のPOP、テーブルの三角POP、レシート、名刺サイズのカード——お客様が「今ならできる」と思える動線に、投稿先(Googleのクチコミ投稿リンク)をワンタップで開けるQRを用意しておきましょう。
口コミを集める努力は、確実に来店という結果に結びつきます。Googleマップでお店を探したユーザーの73%が、実際に来店したという調査があります。しかも比較検討した店舗数は1〜3店舗が約68%。お客様は無数の店から選ぶのではなく、マップ上の数店の“短いリスト”の中から選んでいます。その短いリストで選ばれるかどうかは、評価と口コミの厚みで決まります。さらに口コミを読んだ人の約7割が、その後の行動が変わったとも報告されています。
集めた口コミが、来店という結果に変わる
出典:トライハッチ Googleマップ行動傾向調査(2024/5・n=1,090)prtimes.jp/mov 口コミコム消費者調査(2023/5・n=996・閲覧後の行動変化 約7割)trans-plus.jp
そして、最後のピースが返信です。Google公式は、ローカル検索で選ばれるためにクチコミへ返信することを推奨しています。返信は、書いてくれた本人への感謝であると同時に、「この店はちゃんと声を聞いている」という姿勢を、これから読む全員に見せる行為です。実際、ネガティブな口コミでも、返信の内容によっては来店すると答えた人は65.4%。さらに海外調査(BrightLocal 2026)では、消費者の89%が口コミへの返信を期待しています。返信されたお客様は「また書こう」と思い、それを見た次のお客様も「書けば応えてくれる」と感じる。返信は、次の口コミを呼ぶ循環の起点なのです。
65.4%
ネガティブな口コミでも「返信の内容によっては来店する」
出典:ONE COMPATH「LocalONE」調査(口コミラボ掲載・2026-06-14閲覧。Googleの口コミを参考にする人72.8%)lab.kutikomi.com
クチコミの集め方は、根性論ではなく設計です。「書く理由(おすすめ・応援)」×「タイミング(訪問後すぐ/QRで即時)」×「返信(感謝で循環を回す)」。この3つを仕組みにすれば、口コミは“お願いの設計”で着実に増えていきます。
誰に何と声をかけ、どの動線でQRを見せ、何時間以内に返信するか。これを店舗オペレーションに組み込むことが、クチコミ獲得の本質です。一度きりのキャンペーンではなく、毎日の“当たり前”にすること。それが、AI検索でもGoogleマップでも「選ばれる店」をつくります。