工務店・リフォーム会社への発注は、多くの家庭にとって人生で数少ない高額な買い物です。だからこそ、施主は「安さ」より先に「この会社に任せて大丈夫か」という信頼で相手を選びます。リフォーム会社選びで「口コミの内容が良い」を重視する人は60%、「工事の実績が多い」は55%。そして買い物全般で口コミを参考にする人は94%に上ります。本記事では、相見積りが当たり前になった高額工事の世界で、施主が何を見て会社を選び、企業側は信頼をどう可視化すべきかを、公的団体・大手調査のデータで整理します。
リフォーム評価ナビ(一般財団法人住まいづくりナビセンターが運営)が、実際にリフォーム事業者へ見積依頼をした利用者426名に聞いた調査では、事業者を選ぶときに重視する点として「口コミの内容が良い」が60%で最多。次いで「希望する工事の実績が多い」が55%、「口コミの点数が高い」が44%、「近所である」が41%と続きます。価格や値引きよりも先に、第三者の評価(口コミ)と、自分と同じ工事をやり切った実績が判断基準の上位に来ています。
リフォーム事業者を選ぶときに重視する点(複数回答)
出典:リフォーム評価ナビ「事業者選択で重視するのは『口コミ・実績・近所』」(2019/9〜10調査・回答426名) refonavi.or.jp
同調査は、属性による傾向の違いも示しています。口コミを重視する傾向は30〜40代・大都市エリア・リフォーム未経験者で特に強く、一方で工事金額が300万円以上の高額案件では「実績」がより重視されるという結果でした。金額が上がるほど、施主は「感じの良さ」だけでなく「同じ規模の工事をやり切った証拠」を求めるということです。
55%
リフォーム会社選びで「希望する工事の実績が多い」ことを重視する人の割合。工事金額が高いほど実績重視の傾向が強まる
出典:リフォーム評価ナビ「事業者選択で重視するのは『口コミ・実績・近所』」(2019/9〜10調査)refonavi.or.jp
会社選びで口コミ・実績が重視されるということは、施主が問い合わせる前にネット上で情報を集め、複数社を比較しているということです。買い物全般でも、株式会社LeveL.Lが全国10〜70代の男女400人に行った調査では、商品購入・店舗探しで口コミを参考にする人は94%。信頼できる口コミの条件として「投稿内容が具体的」を81.5%、「写真・動画がある」を58%が挙げました。工事の前後写真やビフォーアフター、施工中の様子といった具体的で写真つきの情報ほど、信頼につながりやすいことを示しています。
94%
商品購入・店舗探しの際に「口コミを参考にする」人の割合。信頼される口コミは「具体的」「写真・動画つき」が上位
出典:株式会社LeveL.L「口コミ影響力調査」(2025/10〜11調査・全国400人)prtimes.jp
比較の入口としては、Googleマップ・Google検索が定着しています。株式会社トライハッチが過去3か月以内にGoogleマップで店舗を検索した1,090名に行った調査では、3店舗以内に絞って比較する人が約68%を占めました(※飲食店利用者対象・参考値)。業種を問わず、多くの人が「検索して数社に絞り、その中から選ぶ」という行動を取っています。工務店・リフォーム会社にとって、Googleマップや自社サイトに施工実績・料金の目安・保有資格が整理されているかどうかは、この「絞り込み」の土俵に乗れるかを左右します。
比較の局面では、相見積りがほぼ前提です。リフォーム一括見積りサービス「リショップナビ」の成約データによると、施主が実際に見積りを取る会社は平均で2〜4社程度。つまり工務店・リフォーム会社は、常に他の2〜3社と横並びで比べられています。同じ金額・同じ工事内容なら、口コミ・実績・有資格・許可といった「信頼の証拠」がそろっている会社が選ばれる構図です。
高額な工事ほど、施主は問い合わせ前に「調べて、比べて」いる。口コミ・実績・資格を可視化できていない会社は、相見積りの土俵に上がる前に候補から外れている可能性があります。
どれだけ丁寧に施工しても、否定的な口コミがゼロになることはありません。重要なのは、その口コミに会社がどう向き合っているかです。前掲のLeveL.L調査では、悪い口コミを見たとき、企業の返信対応まで確認する人が67%に達しました。Googleのガイドラインも、事業者がクチコミに返信できる機能を用意しており、返信は投稿者だけでなく「その後に口コミを読む見込み客」全員へのメッセージになります。
67%
悪い口コミを見たとき、企業の「返信対応」まで確認する人の割合。誠実な返信は、投稿者以外の見込み客への信頼メッセージになる
出典:株式会社LeveL.L「口コミ影響力調査」(2025/10〜11調査・全国400人)netshop.impress.co.jp
海外の消費者調査でも同じ傾向が確認されています。ローカルSEO調査会社BrightLocalの年次調査(海外・参考)では、多くの消費者が「企業が口コミに返信していること」を事業者選びで重視すると回答しています。悪い口コミへ感情的に反論したり、放置したりするのではなく、事実を確認し、改善策を添えて誠実に返信する——その対応こそが、次の施主の不安を和らげ、受注を左右します。
ここまでのデータが示すのは、工務店・リフォーム会社の集客は「信頼の可視化」の勝負だということです。派手な広告より、施主が問い合わせ前に確認する場所へ、証拠を整えて置くことが効きます。優先順位は次の通りです。
相見積りで2〜3社と並んだとき、最後に施主の背中を押すのは金額の数万円差ではなく、「この会社なら任せられる」という安心感です。口コミ・実績・資格・誠実な返信という信頼の証拠を、施主が見る場所に、見える形で置く。それが、高額工事で選ばれ続けるための土台になります。
その工事、
「信頼の証拠」は見えていますか。
Googleマップの口コミ、施工実績、有資格・建設業許可の見せ方。相見積りで比べられたとき施主にどう映るかを、無料で診断し、優先順位をレポートにしてお届けします。