口コミ(UGC=お客様がつくるコンテンツ)は、いまやどの業種でも購入や来店を左右します。ただし、「どれくらい効くか」「どんな効き方をするか」は業種によって違います。EC全体、美容・スキンケア、食品通販——3つの領域の国内データを並べると、口コミ運用の設計図が見えてきます。
まず全体像から。ネット通販・定期通販で購入を検討するとき、88.5%がUGC(お客様の声)をチェックしています。これはオンラインに限った話ではありません。小売店や施設への来店を検討する場面でも、約7割がUGCを確認しています。つまり、業種を問わず「買う前・行く前に口コミを見る」のが標準行動になっているということです。
88.5%
ネット通販・定期通販で、購入検討時にUGCをチェックする人
出典:アライドアーキテクツ/Letro「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査2022」(2022/12・n=1,083)aainc.co.jp
業種を絞ると、効き方の濃さが変わります。美容・スキンケアのECでは、購入前にレビューを見る人が88.8%。内訳を見ると「必ず見る」が61.9%、「よく見る」が26.9%。注目すべきは「必ず見る」が6割を超えている点です。肌に直接使うもの、効果に個人差が出るものだからこそ、レビューは「あれば参考にする」ではなく「見ないと買えない」必須プロセスになっています。
食品通販では、口コミの効き方がさらに具体的に見えてきます。口コミが購買に影響すると答えた人は82%。そして購入時に重視する要素として口コミを挙げた人は約50%にのぼり、これは価格に次ぐ重視度でした。「安いから買う」の次にくるのが「みんなが美味しいと言っているから買う」。味や品質が事前にわからない食品だからこそ、第三者の実体験が背中を押すのです。
業種別:購入前に口コミを確認・重視する割合
出典:アライドアーキテクツ/Letro UGC影響度調査2022 aainc.co.jp/㈱Creative Group調査(syncAD・2025/7)syncad.jp/アイランド㈱おとりよせネット(syncAD・2024/9)syncad.jp
3つの業種を並べると、共通点と違いがはっきりします。共通点は、どの業種でも口コミが購入の決め手になっていること。88.5%・88.8%・82%——いずれも8割以上が口コミの影響下にあります。一方で違いは、効き方の「濃さ」と「役割」です。美容では「必ず見る」が6割超で、レビューは必須の確認プロセス。食品では口コミが価格に次ぐ重視要素として、味の不安を埋める役割を担います。
つまり、口コミ運用は「とりあえず集める」では足りません。自分の業種で口コミがどう効くかを踏まえて、集める量・見せ方・返信の力点を変えるべきです。美容なら具体的な使用感のレビューを厚く、食品なら味・品質に触れた声を前面に。業種ごとの「効き方」に合わせて設計することが、選ばれる近道になります。
口コミはどの業種でも効く。だが、効き方は業種で違う。だからこそ、運用も業種に合わせて設計する必要がある。