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小売 / SNS・UGC

お店は、お客様の
「投稿」で見つけられる。

Nest Lab小売 / SNS・UGC2026.07.03出典6件

購入・来店のきっかけになった投稿は一般ユーザー投稿が57.8%で最多

小売店・物販の「入口」が、検索窓からSNSのフィードへ移りつつあります。購入・来店のきっかけになった投稿の種類を尋ねた調査では、「一般ユーザーの投稿」が57.8%で最多となり、企業アカウントの投稿(47.8%)を上回りました。お店を見つけるのは広告ではなく、すでに買った・訪れたお客様の投稿(UGC)です。そしてその投稿に触れた人ほど、実際に買う。本記事では、小売・物販がSNSとお客様の投稿で「見つけられ、買われる」構造を、国内の実在データで整理します。

お店探しの入口が、検索から「フィード」へ移った。

まず「どこで店や商品を知るか」が変わっています。SHIBUYA109 lab.がZ世代女性(15〜24歳)に聞いた調査(2025年8月)では、お出かけ・体験の情報源はInstagramが64.6%で最多。検索エンジン(28.8%)の2倍以上でした。買い物や来店の起点が、Google検索ではなくSNSのフィードに置き換わりつつあります。

お出かけ先・商品の情報源は?(Z世代女性・2025年8月)

Instagram64.6%
TikTok39.0%
X(旧Twitter)35.1%
検索エンジン28.8%

出典:SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNS利用最新動向2025」(2025/8・女性15〜24歳・n=413) advertimes.com

そのフィードで人が見ているのは、企業の宣伝だけではありません。ホットリンクの調査(2024年5月・日本在住n=1,000)では、Instagramの利用目的1位は「知り合いではないアカウントの投稿を見る」で64.8%。お店側の公式アカウントの投稿より、他のユーザーが上げた「実際の商品写真・来店の様子」が、日常的に発見の窓口になっています。

そして「誰の投稿が買い物の背中を押したか」を尋ねると、順位は逆転します。アライドアーキテクツの調査(2022年1月・n=881)では、購入・来店のきっかけになった投稿の種類で「一般ユーザーの投稿」が57.8%と最多。インフルエンサー(49.4%)や企業アカウント(47.8%)を上回りました。宣伝より、名もないお客様の一枚。それが小売の「見つけられ方」の中心です。

購入・来店のきっかけになった投稿の種類(複数回答)

一般ユーザーの投稿57.8%
インフルエンサー・芸能人の投稿49.4%
企業アカウントの投稿47.8%

出典:アライドアーキテクツ「Twitter上のクチコミ行動・影響度に関する調査」(2022/1・n=881・現X) markezine.jp

投稿は「保存」され、来店・購入に変わる。

フィードで見つかることは、そのまま行動に直結しています。同じホットリンクの調査では、Instagram投稿をきっかけに商品を購入・来店した経験がある人は55.2%。さらに約80%が、Instagramで知った商品の詳細を自分で検索していました。気になる投稿は「保存」され、後日その店名・商品名で調べ直され、来店・購入に至る——SNSは眺めて終わりではなく、購買の起点として機能しています。

55.2%

Instagram投稿をきっかけに、商品を購入・来店した経験がある人の割合(日本在住n=1,000)

出典:ホットリンク「Instagram利用動向調査2024」(2024/5実施・日本在住n=1,000・2026-07-07閲覧)prtimes.jp

お客様の投稿(UGC)が売上に効くことは、EC側のデータでも裏づけられます。あるバッグ・スーツケースメーカーのEC支援事例では、サイト上でレビューや写真といったUGCに接触したユーザーのコンバージョン率(購入率)は、非接触ユーザーの約1.7倍。同じ商品ページでも、他のお客様の「実物写真・使用感」に触れられるかどうかで、買われ方が変わります。

1.7

UGC(レビュー・写真)に接触したユーザーの購入率は、非接触ユーザーの約1.7倍(UGC接触率35%の事例)

出典:ギャプライズ(バッグ・スーツケースメーカーのEC支援事例・自社実績・2026-07-07閲覧)ecnomikata.com

お客様の一枚の投稿は、次のお客様にとっての「発見」であり、「買っていい理由」でもある。UGCは、広告費のかからない営業として店の外で働き続けます。

裏を返せば、投稿されない店・保存されない商品は、この入口に乗れません。だからこそ小売の集客は、「発信する」だけでなく「お客様が投稿したくなる状況をどうつくるか」が要になります。

「買われ方」も、フィードの中で完結し始めた。

SNSは発見から購入までの距離も縮めています。ライブ配信で商品を紹介し、その場で売る「ライブコマース」では、NTTコム リサーチの調査(2022年12月〜2023年1月・n=566)で視聴経験者の54.8%が実際に商品を購入。20代では66.2%に達しました。まだ視聴経験者の母数は限られますが、「配信を見て、その流れで買う」という買い方が、若い層から定着しつつあります。

ライブコマース視聴経験者の「購入経験率」(年代別)

20代66.2%
30代59.6%
全体54.8%

出典:NTTコム リサーチ「『ライブコマース』に関する調査」(調査期間2022/12/7〜2023/1/17・n=566) prtimes.jp

「保存して、後で買う」動きが特に強いのがPinterestです。Pinterest公式(日本)によると、5人に3人の日本のユーザーがショッピングのために利用し、上位検索の96%が「◯◯(ブランド名)」ではない非指名検索。つまり多くの人が、特定の店を決める前の「探している段階」でこのプラットフォームにいます。商品写真やコーディネート、入荷情報を保存しやすい形で置いておくことが、そのまま将来の来店・購入の入口になります。

5人に3

日本のPinterestユーザーのうち、ショッピングのために利用している割合。上位検索の96%は非指名検索

出典:Pinterest Business 公式(日本・オーディエンス)(2026-07-07閲覧)business.pinterest.com

発見(フィード)→保存→検索→購入・来店。この一連の流れのどこにも、いまやお客様自身の投稿が関わっています。小売にとってのSNS対策とは、この導線上に自店の商品写真・入荷情報・お客様の声を欠かさず置いておくことに他なりません。

対策の優先順位——データからの示唆。

ここまでのデータを踏まえると、小売店・物販がSNS・UGCで「見つけられ、買われる」ために着手すべき順序は、次のように整理できます。

  1. 商品写真・入荷情報を「保存される形」で出し続ける。発見の入口はフィード(Z世代女性の情報源はInstagramが64.6%)。おしゃれな一枚・入荷速報を定期的に投稿し、保存 → 後日検索の起点をつくる。
  2. お客様が投稿したくなる状況を設計する。購入・来店のきっかけは一般ユーザーの投稿が57.8%で最多。撮りたくなる売場・商品タグ・ハッシュタグの掲示など、来店客の投稿を自然に増やす仕組みを店内に用意する。
  3. 投稿されたUGCを「集めて見せる」。UGC接触者の購入率は非接触の約1.7倍。許諾のうえでお客様の写真・声を商品ページや店頭・公式アカウントに再掲し、次のお客様の「買っていい理由」に変える。
  4. 店名・商品名で調べ直した人を受け止める。約80%はSNSで知った後に自分で検索する。Googleマップの店舗情報・在庫や営業時間・ECの商品ページを整え、「保存 → 検索」の最後の一歩で取りこぼさない。
  5. 売れ筋・若年層にはライブ/Pinterestも試す。ライブコマースは視聴経験者の54.8%が購入、Pinterestは5人に3人が買い物利用。全部を一度にではなく、自店の客層に合うチャネルから小さく始める。

共通するのは、発信を「お店から一方的に出す広告」ではなく、お客様の投稿が生まれ、それが次の集客に回る循環として設計することです。UGCは一度回り始めれば、広告費をかけずに店の外で営業を続けます。これは販促担当だけの実務ではなく、見つけられ方と売上に直結する経営テーマとして向き合う価値があります。

Sources / 出典

  1. アライドアーキテクツ「Twitter上のクチコミ行動・影響度に関する調査」(2022/1・n=881・現X/購入・来店のきっかけ=一般ユーザー投稿57.8%・インフルエンサー49.4%・企業47.8%/購入経験65.5%・来店経験62.4%/2026-07-07閲覧) — https://markezine.jp/article/detail/38566
  2. ホットリンク「Instagram利用動向調査2024」(2024/5実施・日本在住n=1,000/利用目的1位「知り合いでない投稿を見る」64.8%・購入/来店きっかけ経験55.2%・商品詳細を検索 約80%/2026-07-07閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000345.000002235.html
  3. ギャプライズ(バッグ・スーツケースメーカーのEC支援事例・自社実績/UGC接触率35%・接触者のCVR約1.7倍/2026-07-07閲覧) — https://ecnomikata.com/blog/24490/
  4. SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNS利用最新動向2025」(2025/8・女性15〜24歳・n=413/お出かけ・商品の情報源=Instagram64.6%・TikTok39.0%・X35.1%・検索28.8%/IG利用率89.6%/2026-07-07閲覧) — https://www.advertimes.com/20250828/article509730/
  5. NTTコム リサーチ「『ライブコマース』に関する調査」(調査期間2022/12/7〜2023/1/17・本調査n=566/認知31.9%・視聴経験3.9%・視聴経験者の購入経験54.8%・20代66.2%・30代59.6%/2026-07-07閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000312.000006600.html
  6. Pinterest Business 公式(日本・オーディエンス)「5 人に 3 人の日本の Pinterest ユーザーがショッピングのために利用」「上位検索の 96% が非指名検索」「日本ユーザーの女性比率 70%」(2026-07-07閲覧) — https://business.pinterest.com/ja/audience/

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