DATA-DRIVEN MEDIA  /  「選ばれる時代」の集客を、客観データで解き明かす。
Nest Lab. 選ばれる時代の研究室 無料AI診断
業種データ / 小売 まず読む1本

「買う前に、調べる」。
小売の勝負は、来店前に始まっている。

Nest Lab業種データ / 小売2026.07.07出典5件

2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%

2024年、モノの買い物のうちECが占める割合(物販系分野のEC化率)は9.8%でした。裏を返せば、物販の約9割はいまも実店舗を中心とするネット以外の場で買われています。ただし、その来店の手前に「検索とクチコミでの下調べ」が入るようになりました。ネット通販では88.5%、実店舗の買い物でも約7割が、買う前に第三者の声を確認しています。小売業の集客環境がどう変わったのかを、経済産業省・中小企業庁関連の公的データと国内調査で整理します。

いま、小売業で起きていること

国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場は、2024年に26.1兆円と前年比5.1%増になりました。物販系分野のEC化率は9.8%(前年比0.4ポイント増)で、ほぼ一貫して上昇を続けています。とはいえ水準は1割弱。小売の主戦場が実店舗であることは、まだ変わっていません。変わったのは、お客様が店にたどり着くまでの過程です。

現場の空気を示すのが商店街の調査です。令和6年度商店街実態調査では、最近の景況について「衰退している」(33.2%)または「衰退の恐れがある」(28.3%)と答えた商店街が合計61.5%。最近1年間の来街者数も「減った」(38.5%)が「増えた」(14.8%)を大きく上回りました。一方で、平均空き店舗率は11.30%と前回調査(13.59%)から2.29ポイント改善しており、新しく店を出す動き自体は続いています。人通り頼みの集客が細るなかで、店の入れ替わりは起きている——それが数字から見える現在地です。

支払いの環境も動いています。2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%(162.7兆円)となり、政府は2030年までに65%という中間目標を掲げました。買い物の入口(下調べ)から出口(決済)まで、店頭体験のデジタル化は既定路線になっています。

数字で見る、小売業の集客環境

まず、買い物そのものの移動です。EC化率は物販全体で9.8%ですが、商材によって水準は大きく異なります。

9.8%

物販系分野のEC化率(2024年・前年比0.4ポイント増)。BtoC-EC市場全体は26.1兆円で前年比5.1%増

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025/8公表・2026-07-07閲覧)meti.go.jp

商品カテゴリ別のEC化率(2024年・物販系)

書籍、映像・音楽ソフト56.45%
生活家電・AV機器・PC等43.03%
生活雑貨、家具、インテリア32.58%
物販全体の平均9.8%

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025/8公表・2026-07-07閲覧) meti.go.jp

次に、来店前の行動です。ネットで買う場合はもちろん、実店舗で買う場合でも、大半の人が第三者の声(UGC=クチコミやSNS投稿)を確認しています。

購入・来店の前にUGC(第三者の声)を確認する人の割合

ネット通販・定期通販で確認88.5%
小売店の店頭・来店の検討でも確認約70%

出典:アライドアーキテクツ/Letro「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査2022」(2022/12・n=1,083) aainc.co.jp

58.0%

2025年のキャッシュレス決済比率(決済額162.7兆円)。内訳はクレジットカード82.7%、コード決済10.2%など。政府の中間目標は2030年までに65%

出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026/3/31公表・2026-07-07閲覧)meti.go.jp

61.5%

最近の景況を「衰退している」(33.2%)「衰退の恐れがある」(28.3%)と答えた商店街の合計。来街者数は「減った」38.5%が「増えた」14.8%を上回る

出典:全国商店街振興組合連合会「令和6年度商店街実態調査」(2025/6公表・中小企業庁協力・n=4,824・2026-07-07閲覧)syoutengai.or.jp

その数字は、お店に何を起こすか

第一に、「見つからない」問題です。買う前の下調べが標準になった結果、検索結果・地図アプリ・SNSに情報が出てこない店は、比較の土俵に載る前に候補から外れます。来街者数が「減った」と答えた商店街は4割近く——通りがかりの自然な入店が細るほど、ネット上の見つかりやすさが実質的な「立地」になります。

第二に、「選ばれない」問題です。実店舗の買い物でも約7割がUGCを確認する以上、クチコミの量・内容・返信の有無は、店構えと同じように吟味されています。さらに、書籍56.45%・生活家電等43.03%のようにEC化率の高い商材では、価格と品揃えが常にネットと比較されます。相談できる、すぐ手に入る、実物を試せる——「この店で買う理由」が来店前に伝わらなければ、下調べの段階でECへ流れます

第三に、「再来店しない」問題です。キャッシュレス化は、ポイント・会員証・メッセージ配信と一体で進んでいます。決済や連絡先の接点を持たない店は、一度の来店で関係が切れやすく、再来店を偶然に委ねることになります。そして第四に、「人が採れない」問題です。商店街の最大の課題は「経営者の高齢化による後継者問題」(64.9%)でした。求職者や後継ぎ候補も、応募の前に店をネットで調べます。情報が古いままの店は、お客様だけでなく人材からも選ばれにくくなります。

そして、探し方そのものが「AIに聞く」へ動き始めている。

いま起きているのは、探し方の変化です。検索で生成AIを使う人は業種を問わず全体で37%、20代では過半数。「近くで〇〇が買える店は?」とAIやマップに尋ねる人が増え、AIの回答が比較候補の入口になる場面が増えています※これは小売業だけを対象にした調査ではなく、検索行動全体の調査です。

37%

検索で生成AIを使う人(業種横断・全体/20代は過半数)。AIの回答を見た人のうち、おすすめをきっかけに購入・利用した人は47.5%

出典:CyberAgent「GEOラボ」(業種を問わない検索行動全体の調査)cyberagent.co.jp

AIは、店のGoogleマップ情報・在庫・クチコミ・SNSでの言及(サイテーション)を材料に回答を組み立てることがあります。だからいまマップとクチコミ、店の情報を整えることは、そのまま「AIに引用・推薦されやすい状態」=AIに選ばれる準備につながります。

対策の優先順位——土台から順に

公的データが示す変化に対して、打ち手の方向ははっきりしています。費用が小さく、土台になるものから並べます。

1. 地図・検索の基本情報を整える。Googleビジネスプロフィール等の営業時間・住所・写真・商品情報を最新に保ち、店名・住所・電話番号の表記をネット上で統一します。「調べたら正しく出てくる」がすべての前提です。

2. クチコミの収集と返信を仕組みにする。会計時の声かけやレシート・POPで自然に依頼し、返信を継続します。約7割が見る「第三者の声」を、店側の説明と同じ重さで扱います。

3. 来店前の疑問に答える発信を持つ。自社サイトやSNSで、在庫・入荷・価格帯・選び方など「下調べで知りたいこと」を発信します。

4. キャッシュレスと会員化をセットで整える。決済手段の拡充に合わせて、LINE等の再来店につながる接点をつくります。

5. 商材のEC化率に応じて、店頭以外の買い方を併設する。取り置き・取り寄せ・ECとの連携など、来店できない日でも買える手段を用意します。

6. AIに選ばれる準備(GEO/AIO)を整える。生成AI・AI検索の回答に引用・推薦されやすいよう、正確なGoogleビジネスプロフィール・クチコミ・第三者の言及を整えます。上の1〜5で整えた情報が、そのままAIの判断材料になります。

「下調べされる側」に回るための各論は、次のデータ記事にまとまっています。

まとめ:小売業の集客をひとことで言うと

小売の勝負は、お客様が店に着く前——検索結果とクチコミ欄で、すでに始まっています。店頭の魅力が「来店前の画面」でも見えるようにすることが、小売業の集客の出発点です。

Sources / 出典

  1. 経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」(2025年8月26日公表・BtoC-EC市場26.1兆円/前年比5.1%増・物販EC化率9.8%・カテゴリ別EC化率/2026-07-07閲覧) — https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html
  2. 経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026年3月31日公表・58.0%/162.7兆円・内訳・2030年65%目標/2026-07-07閲覧) — https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331006/20260331006.html
  3. 全国商店街振興組合連合会(経済産業省中小企業庁・中小機構協力)「令和6年度商店街実態調査報告書」(2025年6月公表・n=4,824・景況/来街者数/空き店舗率11.30%/後継者問題64.9%/2026-07-07閲覧) — https://www.syoutengai.or.jp/data/250617shoutengai01.pdf
  4. アライドアーキテクツ/Letro「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査2022」(2022年12月・n=1,083・ネット通販88.5%/実店舗・来店約7割) — https://service.aainc.co.jp/product/letro/article/ugc_purchase_impact_survey
  5. CyberAgent「GEOラボ」(検索で生成AIを使う人37%・20代過半数/AI回答を見た人のうち、おすすめで購入・利用した人47.5%。業種横断の検索行動調査/2026-07-08閲覧) — https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33041

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クチコミ / UGC2026.02.14

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消費者庁の調査で口コミ評価が高い商品を選ぶ人は70.1%。否定的な口コミで63.9%が購入をためらう。人にもAIにも効く。

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AI検索 / LLM2026.01.13

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検索で生成AIを使う人は37%、20代は過半数超。利用はChatGPTが圧倒的。AIに引用される会社とそうでない会社の差が開く。

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AI検索 / MEO2025.12.20

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店舗探しの手段はGoogleマップ・検索が60.2%で最多。マップで探した人の約73%が来店。地図とクチコミが来店を左右する。

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SNS / 検索2025.12.12

若い世代は、SNSで「検索」する。

Z世代女性のお出かけ情報源はInstagram64.6%で、検索エンジン28.8%を上回る。検索の入口がSNSへ。

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口コミを、Googleと AIに「伝わる形」にする。

レビュー構造化データで星付きリッチスニペット。AIモード時代、第三者評価の整備がそのままAIO対策になる。

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動画 / ショート2025.11.26

縦型ショート動画が、発見の主戦場になった。

縦型短尺が新規発見の入口に。視聴者の32.2%が動画を見て商品を購入。縦型動画広告は前年比171%で急成長。

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クチコミ / UGC2025.11.18

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Web制作 / モバイル2025.11.10

スマホで見られる前提が、いまのWeb。

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訪日客が滞在中に役立った情報源はスマホ89.5%が圧倒的1位。出発前はSNS38.9%・動画38.1%。

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指名検索はCVが約12倍。ブランド言及量はAI Overviewsの可視性とも強く相関。指名される状態が土台。

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