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クチコミ / ステマ規制

やらせ・サクラは、法律違反になった。
正直なクチコミ運用が、一番強い。

Nest Labクチコミ / ステマ規制2026.06.11出典6件

2023年10月施行のステマ規制(景品表示法)

「星5を書いてくれたら割引します」「レビューを買い取ります」——こうしたやらせ・サクラは、2023年10月1日から景品表示法違反です。しかも罰を受けるのは、投稿した人ではなく依頼したお店(広告主)。実際に措置命令(行政処分)も出ています。この記事では、規制の中身・処分の実例・NGライン・正しいお願いの仕方を、消費者庁など政府の一次資料だけで整理します。

「広告なのに、広告と分からない」が違反になった。

いわゆる「ステマ規制」の正体は、景品表示法第5条第3号に基づく告示「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(2023年3月28日指定・2023年10月1日施行)です。ポイントは、ウソを書いたかどうかではなく、「広告であることを隠したこと」自体が不当表示になること。広告と分かっていれば人は「多少の誇張はあるだろう」と割り引いて読みますが、第三者の感想だと誤認すると、内容を額面どおりに受け取ってしまう——それが規制の理由です。

対象になるのは大きく2パターン。①なりすまし型=お店や従業員が一般客のふりをして投稿する。②利益提供を隠す型=お金や商品などの対価を渡して投稿させたのに、「PR」「広告」と明示しない。SNSの投稿、ECサイトのレビュー、Googleマップの口コミなど、媒体を問わず適用されます。実際、令和6年度には「保育施設が自分の施設のGoogleマップのクチコミ欄に、自ら星5の評価を投稿していた」ケースが消費者庁の行政指導を受けています。

2023.10.1

ステマ規制(ステルスマーケティング告示)の施行日。以降、広告と分からない「やらせ投稿」は景品表示法の不当表示

出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(政府一次・2026-06-11閲覧)caa.go.jp

罰されるのは、投稿者ではなく「お店」。

規制の対象は、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。依頼を受けて投稿したインフルエンサーやお客様は規制の対象外——つまり「書いた人」ではなく「書かせた店」に責任が返ってくる構図です。違反すると消費者庁(または都道府県)から措置命令が出ます。中身は、①違反表示の取りやめ、②「違反しました」という事実を一般消費者へ周知徹底、③再発防止策の実施、④今後同様の表示の禁止。社名入りで公表されるため、口コミの信頼を買うつもりが、信頼を根こそぎ失う結果になります。さらに命令に従わなければ刑事罰です。

300万円

措置命令に違反した場合の罰金の上限。または2年以下の拘禁刑(景品表示法第46条)

出典:e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」第46条(政府一次・2026-06-11閲覧)laws.e-gov.go.jp

執行は既に始まっています。第1号は2024年6月6日、東京都内のクリニックを運営する医療法人への措置命令。インフルエンザワクチン接種で来院した人に「Googleマップで星5または星4を投稿すること」を条件に接種費用の割引を伝え、投稿された星5の口コミが「事業者の表示」と認定されました。続いて2024年8月8日にはRIZAP株式会社(chocoZAP)へ。対価の提供を条件にInstagram投稿を依頼し、その投稿を「SNSでも話題!絶賛の口コミ続々」として依頼した投稿だと明かさずに自社サイトへ転載——ステマ告示違反と優良誤認のダブルで命令を受けました。

令和6年度に消費者庁が行った措置命令・確約計画の認定(延べ件数)

優良誤認(5条1号)14件
有利誤認(5条2号)8件
ステマ告示(5条3号)5件

出典:消費者庁「令和6年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組」表6(2025-05-29公表・政府一次)。ステマ告示はほかに指導5件 caa.go.jp

星を買ったお店は、社名入りで「違反しました」と公表させられる。施行2年目だけで措置命令等は5件——「バレなければ」はもう通用しません。

買い取り・サクラ・依頼投稿——NGラインはここ。

消費者庁の運用基準は、第三者の投稿が「事業者の表示」=ステマになる条件を「事業者が表示内容の決定に関与したかどうか」で線引きしています。具体的にNG側に落ちるのは、次のようなケースです。

❶ 自作自演——お店・従業員・関係者が一般客のふりをして投稿する(前述の保育施設の例)。❷ レビューの買い取り——レビューを募集するブローカーや自社商品の購入者に依頼して、ECサイトにレビューを書かせる。運用基準に明記されたNG例です。❸ 高評価の条件付け——「星5を書いたら割引」のように評価と対価を交換する(第1号事例そのもの)。❹ 事実上のコントロール——「こう書いて」と明示的に指示しなくても、無償提供や継続的な報酬関係を背景に、お店の方針に沿った投稿をさせていれば「自主的な意思による投稿」とは認められません。対価はお金に限らず、物品やイベント招待などの経済上の利益すべてが含まれます。❺ 競合への攻撃——他社に依頼して、競合店の口コミに低評価を投稿させるのもNG例に挙げられています。

見落としがちなのが「見せ方」のNGです。依頼した投稿を「お客様の声」として自社サイトに転載する(chocoZAPの例)、良い口コミだけを恣意的に抜き出して悪い意見がないかのように見せる、「PR」と書いてはいるが大量のハッシュタグに埋もれさせる・動画で一瞬だけ表示する——これらは「広告であることが不明瞭」として違反側に落ちます。

境界線は「お願いしたかどうか」ではなく、「投稿の中身を、お店が実質的に決めたかどうか」。内容と評価を相手に委ねている限り、口コミのお願い自体は違反ではありません。

正しい「お願い」は、対価なし・内容おまかせ。

ではどう頼めばいいのか。運用基準は、「第三者の自主的な意思による投稿」は事業者の表示に当たらないと明確に示しています。セーフ側の型はこうです。①内容・評価を指定せずにお願いする——「よろしければ口コミをお願いします」は、対価を渡さず内容を委ねる限り問題ありません。②商品を無償提供して投稿をお願いする場合も、内容が本人の自主的な意思ならセーフ。試供品を配った結果の自然な投稿や、SNSキャンペーンへの応募投稿も同様です。③レビュー謝礼のクーポン配布も、投稿内容について一切やり取りしなければセーフ——ただし星や文言を指定した瞬間にNG側へ落ちます。

そして広告として依頼するなら、堂々と「PR」「広告」と明瞭に書く。お客様の声を自社サイトで使うなら、良い点も悪い点もそのまま引用する。つまりルールが求めているのは「口コミを増やすな」ではなく、「広告なら広告と言う。体験は本人の言葉で書いてもらう」——それだけです。やらせで作った星は措置命令ひとつで信頼ごと崩れますが、実際の体験から正直に集めた口コミは、規制が強まるほど価値が上がる資産になります。集め方の設計は「お願いの設計」の記事を、悪い口コミへの向き合い方は返信運用の記事をどうぞ。

Sources / 出典

  1. 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(政府一次・2026-06-11閲覧) — https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/
  2. 消費者庁「『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』の運用基準」(2023-03-28 消費者庁長官決定・政府一次・2026-06-11閲覧) — https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/assets/representation_cms216_230328_03.pdf
  3. 消費者庁「医療法人社団祐真会に対する景品表示法に基づく措置命令について」(2024-06-07公表・政府一次・2026-06-11閲覧) — https://www.caa.go.jp/notice/entry/038178/
  4. 消費者庁「RIZAP株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」(2024-08-09公表・政府一次・2026-06-11閲覧) — https://www.caa.go.jp/notice/entry/038980/
  5. 消費者庁「令和6年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組」(2025-05-29公表・政府一次・2026-06-11閲覧) — https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_250529_01.pdf(令和5年度版も併せて確認: https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_240603_01.pdf
  6. e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」第5条・第7条・第46条(政府一次・2026-06-11閲覧) — https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000134

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