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介護・福祉 / 施設の探され方

介護施設は、入居を決める家族からも、
ネットで“調べられて”いる。

Nest Lab介護・福祉 / 施設の探され方2026.07.09出典3件

施設探し〜契約の過程で56.8%がGoogleマップの施設ページを閲覧

介護施設を選ぶとき、ご家族は何を見ているのか。カンリーの調査(介護施設利用者のご家族500名+転職・就職経験者500名の計1,000名)では、施設探しから契約までの過程で56.8%がGoogleマップの施設ページを閲覧し、クチコミを「重視する/まずまず重視する」人は86%にのぼりました。また、直近1年以内に入居した家族1,873名を対象としたLIFULLの調査では、「ケアマネジャーに相談」は44.2%と前回比9.1pt減「ネットで調べた」は35.6%と3.9pt増。相談だけで決まる時代から、ネットでも確かめられる時代へ——施設の情報がネット上に整っていないと、検討の候補に入る前に情報が届かない「機会のずれ」が生じかねません。本記事では、介護施設の“調べられ方”を各種調査で整理します。

施設探しの過程で、2人に1人がGoogleマップの施設ページを見ている。

まず、施設が「どう調べられているか」です。店舗・施設情報の管理サービスを手がけるカンリーが2024年7月に公表した調査は、直近2年以内の介護施設利用者のご家族500名と、介護施設への転職・就職経験者500名、あわせて1,000名を対象にしています。その結果、施設探しから契約までの過程で56.8%がGoogleマップの施設ページを閲覧していました。

56.8%

施設探し〜契約の過程でGoogleマップの施設ページを閲覧した人の割合(介護施設利用者の家族500名+転職・就職経験者500名の計1,000名)

出典:カンリー「介護施設に関する実態調査」(2024/7/31公表・n=1,000)prtimes.jp

注意したいのは、この母数に「入居を検討するご家族」と「働く場所を探す人」の両方が含まれている点です。つまり介護施設のGoogleマップページは、入居の検討でも、就職の検討でも、同じ入口として見られています。施設側から見れば、地図上の施設ページは、ご家族と求職者の両方に向けた「最初の顔」になっているということです。

クチコミは「参考程度」ではなく、86%が重視する判断材料。

同じカンリー調査(家族500名+転職・就職経験者500名の計1,000名)では、施設のクチコミを「重視する/まずまず重視する」と答えた人が86%でした。入居はご本人とご家族にとって大きな決断です。パンフレットや紹介だけでは分からない「実際のところ」を、第三者の声で確かめたいという心理は自然なものでしょう。

86%

介護施設のクチコミを「重視する/まずまず重視する」と答えた人の割合(介護施設利用者の家族500名+転職・就職経験者500名の計1,000名)

出典:カンリー「介護施設に関する実態調査」(2024/7/31公表・n=1,000)prtimes.jp

ご家族は、紹介やパンフレットだけで決めるのではなく、地図の施設ページとクチコミで「実際のところ」を確かめてから検討している。施設の情報がネット上に整っていないと、検討の候補に入る前の段階で、正確な情報が届かない「機会のずれ」が生じうる。

「ケアマネジャーに相談」は減り、「ネットで調べた」が増えている。

探し方そのものの変化を示すのが、LIFULLの「介護施設入居実態調査2025【探し方編】」です。直近1年以内に施設へ入居した家族1,873名に施設の探し方を聞いたところ、「ケアマネジャーに相談」は44.2%で前回比9.1pt減。一方で「ネットで調べた」は35.6%と前回比3.9pt増えました。ケアマネジャーへの相談は引き続き大きな入口ですが、比重は下がり、ネットで自ら調べるご家族が増えている——入口が少しずつ移り変わっていることが分かります。

介護施設の探し方(直近1年以内に入居した家族・n=1,873)

ケアマネジャーに相談(前回比9.1pt減)44.2%
ネットで調べた(前回比+3.9pt)35.6%

出典:LIFULL「介護施設入居実態調査2025【探し方編】」(2025/1/16公表・n=1,873) lifull.com

補助的なデータも同じ方向を向いています。鎌倉新書グループのエイジプラスが、自社サイト利用者のうち施設見学の経験者165名に行った調査(2025年8月公表)では、情報収集の手段は「ネット検索」が83.5%で最多でした。標本が小さく、自社サイト利用者に偏った標本のためあくまで補助データですが、「見学まで進む前に、まずネットで調べる」という流れと矛盾しない結果です。

整理すると、こうなります。ケアマネジャーからの紹介という従来の入口は残りつつ、ご家族が自らネットで調べ、Googleマップの施設ページとクチコミで確かめる、という調べられ方が広がっている。施設側が意図して発信していなくても、施設の情報は地図とネットの上で「すでに見られている」ということです。

対策の優先順位——「調べられたとき」に伝わる状態を整える。

ここまでのデータを踏まえると、介護施設がまず取り組むべきは、大がかりな宣伝ではなく、「調べられたときに正確な情報が伝わる状態」を整えることです。データからの示唆として、優先順位を整理します。

  1. Googleマップの施設ページ(Googleビジネスプロフィール)を正確に保つ。所在地・電話番号・受付時間・見学や問い合わせの窓口を最新に。施設探し〜契約の過程で56.8%(家族・働き手計1,000名)が見る入口になっている。
  2. 施設の様子が伝わる写真を整える。外観・共用スペース・食事・行事など、日々の暮らしのイメージが湧く写真を、入居者のプライバシーに配慮したうえで掲載する。
  3. クチコミには丁寧に返信する。86%(同・計1,000名)が重視する判断材料。よい声にも指摘にも誠実に応じる姿勢そのものが、これから検討するご家族への説明になる。
  4. 自社サイトの基本情報を分かりやすく。サービス内容・入居までの流れ・見学の申し込み方法・費用に関する案内の場所を明確にし、「ネットで調べた」ご家族(35.6%・n=1,873)が迷わない状態にする。
  5. 紹介経由のご家族も「ネットで確認する」前提で導線を設計する。ケアマネジャー経由で施設名を知ったご家族が検索したときに、正確な情報へたどり着けるようにしておく。

要点はシンプルです。介護施設は、入居を決めるご家族からも、ネットで“調べられて”います。これは入居を急がせるための施策ではなく、いま施設を探しているご家族に正確な情報が届かないことによる「機会のずれ」を防ぐ、基本の整備です。地図の施設ページ・クチコミ・サイトの基本情報という入口から、順に整えていくことをおすすめします。

Sources / 出典

  1. カンリー「介護施設に関する実態調査」(2024/7/31公表・介護施設利用者の家族500名+転職・就職経験者500名の計1,000名〔直近2年以内〕・施設探し〜契約の過程でGoogleマップの施設ページを閲覧56.8%/クチコミを「重視/まずまず重視」86%・PR TIMES掲載・2026-07-09閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000273.000037205.html
  2. LIFULL「介護施設入居実態調査2025【探し方編】」(2025/1/16公表・n=1,873・直近1年以内に入居した家族・「ケアマネジャーに相談」44.2%〔前回比9.1pt減〕/「ネットで調べた」35.6%〔前回比+3.9pt〕・2026-07-09閲覧) — https://lifull.com/news/40550/
  3. 鎌倉新書グループ・エイジプラス「施設見学に関する調査(2025)」(2025/8/19公表・n=165・施設見学経験者・自社サイト利用者標本〔補助データ〕・情報収集は「ネット検索」83.5%が最多・2026-07-09閲覧) — https://e-nursingcare.com/guide/research/survey_2025/

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