お客様は、飲食店をどこで見つけているのか。近年の調査は、その入口がGoogleマップと地図検索に移ったことを示しています。マップで飲食店を探した人の約73%が実際に来店し、店舗探しの手段としてもGoogleマップ・Google検索が最多(同数60.2%)。そこでお客様は写真とクチコミを見て、星3.8以上・クチコミ30件以上といった基準で店を比べています。外食市場そのものは回復しているのに、飲食店の倒産は2024年に894件と過去最多。この差を分けるのが「見つけてもらえるか」です。本記事では、飲食集客の土台となる「地図の入口」を、公的データと大手調査で整理します。
まず、お客様が飲食店を「どこで探すか」です。SEO・MEO支援のニュートラルワークスが全国550人に行った調査(2025年5月)では、店舗(飲食店・美容室・病院など)を探すときに最もよく使う手段は「Googleマップ」と「Google検索」が同数の60.2%で並んでトップでした。グルメサイトやSNSより先に、多くの人がまず地図と検索を開いています。
60.2%
店舗を探すとき最もよく使う手段。「Googleマップ」「Google検索」が同数でトップ
出典:ニュートラルワークス「店舗探しの検索行動に関する調査」(2025/6公表・n=550)netshop.impress.co.jp
そして「探す」で止まらず、実際の来店につながっています。MEO支援のトライハッチが、直近3か月にGoogleマップで飲食店を探した1,090人に行った調査(2024年5月)では、73.5%が「実際に来店した」と回答しました。マップは眺めるだけのツールではなく、来店行動の起点になっているということです。
73.5%
Googleマップで探した飲食店に「実際に来店した」と答えた人の割合(直近3か月)
出典:トライハッチ「Googleマップ利用実態調査」(2024/6公表・n=1,090)webtan.impress.co.jp
この傾向は他の調査でも裏づけられます。飲食店予約管理のトレタが行った調査(2021年11月・n=550)でも、Googleマップで飲食店を探したことがある人は84.7%、Googleマップがきっかけで来店・予約した経験がある人は73.9%にのぼりました。複数の調査が、そろって「7割超が来店に至る」という同じ水準を示しています。
マップで見つけたあと、お客様は複数の店を並べて比べます。前述のトライハッチ調査では、来店前に比較検討した店舗数は「1〜3店舗」がおよそ68%(1店舗13.5%+2店舗23.0%+3店舗31.4%)。つまり、最初の数店に入れなければ検討の土俵にすら乗りません。その少数の枠を争う判断材料が、写真とクチコミです。
来店前に比較検討した飲食店の数(Googleマップ利用者)
出典:トライハッチ「Googleマップ利用実態調査」(2024/6公表・n=1,090) webtan.impress.co.jp
クチコミの見られ方には、はっきりした基準があります。イクシアスが直近3か月に外食した500人に行った調査(2025年1月)では、来店を決める星評価について「3.8以上を基準にする」人が49.6%。内訳は「4.0」を基準にする人が26.0%で最多、次いで「3.8」が14.2%でした。おおよそ2人に1人が、星3.8を一つの目安にしています。
飲食店選びで「来店の基準にする」Google口コミの星評価(複数の目安)
出典:イクシアス「飲食店選びと口コミに関する調査」(2025/4公表・n=500) prtimes.jp
星の点数だけでなく、クチコミの「件数」も信頼を左右します。同じイクシアス調査では、Google口コミが信用できると考える件数として「30件以上」が計51.4%(101件以上が信用できる30.6%+31〜100件が20.8%)。件数が少ない店は、たとえ点数が高くても「まだ判断できない」と受け取られやすい、ということです。
51.4%
Google口コミが「30件以上あると信用できる」と考える人の割合(101件以上30.6%+31〜100件20.8%)
出典:イクシアス「飲食店選びと口コミに関する調査」(2025/4公表・n=500)prtimes.jp
お客様は、Googleマップで見つけ、写真とクチコミで比べ、来店している。地図の入口が整っていない店は、比較の候補に入る前に見送られている可能性がある。
ここで押さえておきたいのが、外食市場そのものは決して縮んでいないという事実です。リクルート「ホットペッパーグルメ外食総研」の外食市場調査では、首都圏・関西圏・東海圏の外食実施率は約68%(2023年11月度は68.5%)で、月次の外食市場規模も数千億円規模で推移しています。「外食する人」は着実にいます。
それにもかかわらず、帝国データバンクの調査によると、2024年の飲食店の倒産は894件で過去最多を更新しました。前年(2023年)の768件から16.4%の増加です。業態別では「酒場、ビヤホール」が212件で最多。物価高や人手不足など複数の要因が重なった結果ですが、外食需要そのものは残っているなかで起きている点が重要です。市場が消えたのではなく、そのお客様に「見つけてもらえなかった」店から退出している——地図やクチコミという入口の重要性は、この対比にこそ表れています。
広告費をかけて一時的に人を呼ぶことはできます。しかし、日々「探して・比べて・選ぶ」お客様の目に触れ続けるのは、Googleマップ上の店舗情報・写真・クチコミです。ここが整っているかどうかは、繁忙期だけの話ではなく、平常時の来店を左右し続けます。
ここまでのデータを踏まえると、飲食店が集客で最初に手をつけるべきは、広告の追加ではなく「地図の入口」を整えることです。データからの示唆として、優先順位を整理します。
要点はシンプルです。お客様はGoogleマップで飲食店を見つけ、写真とクチコミで比べ、来店している。ならば集客の土台は、その入口を整えることから始まります。これは特別な施策ではなく、いま来ているはずのお客様を取りこぼさないための、基本の整備です。
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