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小売 / リピート・常連化

人は「ポイントが貯まる店」を
選んで、通う。

Nest Lab小売 / リピート・常連化2026.07.13出典5件

ポイントの取扱店を選んで買い物する人は41.7%

新しいお客様を呼び込む広告費は、年々重くなっています。一方で、実店舗の売上を静かに支えているのは「もう一度来てくれる人」です。買い手の側にも、その心理ははっきり表れています。ポイントが貯まる店を選んで買い物する人は41.7%、キャンペーンのタイミングを狙って店や商品を選ぶ人は38.4%(マイボイスコム・n=11,695)。物販の購入額の約9割は今も実店舗で動くいま、「一度きり」で終わらせず、また選んでもらうための再来店設計を、消費者調査と公的データで整理します。

買い物の9割は実店舗。だから「二度目」が効く。

ネット通販が伸びても、モノを買う場所の中心は今も店頭です。経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年8月公表)によると、2024年の物販系分野のEC化率は9.78%。裏を返せば、物販の購入額のおよそ9割は実店舗などオフラインで発生しています。日々の買い物ほど、人は近所の決まった店で繰り返し買います。だからこそ小売では、新規を追い続けるより「同じ人にもう一度」が売上の土台になります。

これは古くから語られてきたことでもあります。マーケティングの経験則として知られる「1:5の法則」(新規顧客の獲得には既存顧客の維持よりコストがかかる)や「5:25の法則」(顧客離れを抑えるほど利益が改善する)は、出どころが明確でない経験則ではあるものの、多くの現場実感と一致します。※新規獲得コストの倍率や利益改善率は状況で大きく変わるため、断定できる数字ではありません。仕組みの詳しい解説は関連記事に譲り、ここでは小売で「二度目」を生む具体的な引き金——ポイント・会員・連絡接点——をデータで見ていきます。

9.78%

物販系分野のBtoC-EC化率(2024年)。裏を返せば購入額の約9割は今も実店舗などオフライン

出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025/8公表)meti.go.jp

人は「ポイントが貯まる店」を選んで通っている。

「どの店で買うか」を、ポイントが左右しています。マイボイスコムが11,695人に聞いた調査(2025年6月)では、ポイントの取り扱いで店を選ぶ行動がはっきり出ています。「ポイントサービスの取り扱い店を選んで利用・購入する」41.7%「キャンペーンがある時を狙って店や商品を利用・購入する」38.4%「ポイントがたまる支払い方法を選ぶ」36.5%。3〜4割の買い手が、ポイントを理由に店や商品を選んでいます。※この調査が示すのは「店選び」の基準であり、同じ店へ何度通うか(再来頻度)を直接測ったものではありません。

ポイントサービスの利用に関する行動(複数回答・2025年6月)

取扱店を選んで利用・購入する41.7%
キャンペーン時を狙って利用・購入38.4%
ポイントがたまる支払い方法を選ぶ36.5%

出典:マイボイスコム「『ポイントサービス』に関するインターネット調査(第9回)」(2025/6・n=11,695) prtimes.jp

この「店選び」が特に効くのが、日常使いの小売です。同じ調査で、直近1年にポイントを利用した店舗は「スーパーマーケット」「ドラッグストア」がともに60%台で上位。スーパーやドラッグストアのように毎日・毎週くり返し通う業態では、「どの店で買うか」の基準がそのまま「次にどの店へ行くか」を左右します。ポイントは単なる値引きではなく、次に来てもらう理由をあらかじめ渡しておく仕組みとして働きます。

ポイントは「おまけ」ではない。「次もこの店で買う理由」を、会計のたびに少しずつ積み立てているのと同じ。だから、貯まる店は選ばれ、通われる。

再来店は、「思い出してもらう接点」で決まる。

もっとも、ポイントを用意しても、店の存在ごと忘れられてしまえば次の来店にはつながりません。店から足が遠のく理由は、大きな不満だけとは限りません。選択肢が多い日常のなかで、単に思い出す機会がないまま足が向かなくなる——そうした「忘れられ」も一因だと考えられます。だからこそ、こちらから思い出してもらう連絡接点が要ります。その有力な一つがLINEです。LINEヤフーの発表によると、LINEの国内月間利用者数は1億を突破(2025年12月末時点)。日本の人口の大半が、毎月使っている連絡インフラです。

1

LINEの国内月間利用者数(2025年12月末時点)。再来店を促す連絡接点として、多くの買い手に届く土台がある

出典:LINEヤフー「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2026/1/29発表)lycorp.co.jp

連絡接点と並んで効くのが、クチコミへの向き合い方です。クチコミラボの調査(n=996)では、約7割の人がクチコミを読んで来店行動が変わるとされます。そしてGoogleは、ビジネスプロフィールの公式ヘルプでクチコミへの返信を推奨しています。寄せられた声に一つひとつ返す姿勢は、書いた本人の再来を後押しするだけでなく、これから店を探す人にも「大切にされる店」という印象を残します。ポイントで「戻る理由」をつくり、LINEで「思い出してもらい」、クチコミ対応で「また行きたい」を育てる——この三つが再来店の接点です。

「もう一度」を設計する、優先順位。

ここまでの調査が示すのは、小売の再来店が「貯まる → 思い出す → また選ぶ」という流れでつくれるという事実です。約9割が実店舗に残る購入を、一度きりで手放さないための優先順位は次のとおりです。

  1. 再来の理由を、会計のたびに渡す。ポイント・スタンプ・会員特典で「次もこの店で買う理由」を積み立てる。取扱店を選んで買う人は41.7%。日常使いのスーパー・ドラッグ業態ほど効く。
  2. 連絡先を、資産として残す。LINE公式アカウントや会員登録で、こちらから思い出してもらえる接点を確保する。国内MAU1億のLINEは、最も届きやすい再来の入口。
  3. キャンペーンは「次の来店」に紐づける。キャンペーン時を狙う人は38.4%。単発の値引きで終わらせず、次回使えるポイント・クーポンで再来の予約に変える。
  4. クチコミには、欠かさず返す。約7割がクチコミで来店行動を変える。返信は書いた人の再来と、新規の来店判断の両方に効く(Google公式も返信を推奨)。
  5. 「忘れられない頻度」で接点を持つ。足が遠のく一因は「忘れられること」。押しつけない範囲で、季節・新商品・お礼のきっかけに定期的に思い出してもらう。

実店舗小売にとって、再来店は「たまたま気に入ってもらえたら」の偶然ではありません。ポイントで理由をつくり、連絡接点で思い出してもらい、クチコミ対応でファンに育てる——この設計があるかどうかで、「一度きりの客」と「通ってくれる人」は分かれます。新規を追う前に、いま来てくれている人にもう一度選ばれる仕組みを整える。それが、9割が残る店頭需要を取りこぼさない近道です。

Sources / 出典

  1. マイボイスコム株式会社「『ポイントサービス』に関するインターネット調査(第9回)」(2025/6/1〜6/7実施・n=11,695/取扱店を選んで利用・購入41.7%/キャンペーン時を狙って利用・購入38.4%/ポイントがたまる支払い方法を選ぶ36.5%/利用店舗はスーパー・ドラッグストア各60%台・2026-07-13閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001636.000007815.html
  2. 経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025/8/26公表・物販系分野のBtoC-EC化率9.78%・2026-07-13閲覧) — https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html
  3. LINEヤフー株式会社「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2026/1/29発表・2025年12月末時点/月に一度でもLINEを起動したユーザーアカウント数・2026-07-13閲覧) — https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/020058/
  4. 口コミラボ「クチコミに関する調査」(n=996・クチコミを読んで来店行動が変わる人 約7割・2026-07-13閲覧) — https://lab.kutikomi.com/news/review/202306_reviewsurvey/
  5. Google「Google のクチコミに返信する」(ビジネスプロフィール ヘルプ・クチコミへの返信を推奨・2026-07-13閲覧) — https://support.google.com/business/answer/3474050?hl=ja

※「1:5の法則」「5:25の法則」は出どころが明確でないマーケティングの経験則であり、厳密な統計値ではありません(参考:ミツエーリンクス「1:5の法則/5:25の法則」)。本文では倍率・改善率を断定していません。

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