DATA-DRIVEN MEDIA  /  「選ばれる時代」の集客を、客観データで解き明かす。
Nest Lab. 選ばれる時代の研究室 無料AI診断
業種データ / 不動産 まず読む1本

不動産会社は、コンビニの約2.4倍。
物件の前に、「会社」が見られている。

Nest Lab業種データ / 不動産2026.07.13出典6件

宅地建物取引業者は13万2,291業者で11年連続増加、コンビニの約2.4倍

全国の宅地建物取引業者は13万2,291業者(令和6年度末)。11年連続で増え続け、コンビニ(56,132店)の約2.4倍にのぼります。一方で、物件探しの入口はインターネットが最多になり、契約までに平均3.5社の不動産会社が問い合わせで比較されています。「物件」だけでなく「会社」がネットで見られる時代——。地場の賃貸・売買仲介、管理会社の集客を考える出発点は、この構図を数字で正しくつかむことです。

いま、不動産業で起きていること——「増え続ける会社」と「ネットで見比べるお客様」。

まず、会社の数です。国土交通省の調査によると、全国の宅地建物取引業者(いわゆる不動産会社)は令和6年度末で13万2,291業者。前年度から1.3%増え、増加は11年連続です。全国のコンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会の正会員7社・2026年5月時点で56,132店)と並べると、その数は約2.4倍。お客様の側から見れば、「どの会社に頼むか」の選択肢が、コンビニよりはるかに多くあるということです。

次に、探し方です。国土交通省「住宅市場動向調査」(令和6年度)によると、賃貸住宅の物件探しは「インターネット」が55.8%で最多となり、「不動産業者」の44.7%を上回りました(三大都市圏の調査)。売買でも、中古戸建て住宅で62.1%、中古マンションで63.8%と、インターネットが最多です。ただし区分による違いには注意が必要で、注文住宅だけは「住宅展示場」50.8%が1位。「不動産探しはネットが最多」と一括りにはできませんが、地場の仲介会社が主に扱う賃貸・中古の領域では、入口はすでにネットに移っています。

そして、比べられ方です。不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)の2025年版アンケートによると、契約までに問い合わせた不動産会社は平均3.5社。賃貸に限ると3.3社で2015年以降もっとも多く、「5社以上」に問い合わせた人も21.0%います。一方で、実際に訪問した会社は平均2.5社にとどまります(契約者への設問はn=144〈賃貸81・売買63〉と標本が小さい点は注記します)。問い合わせと訪問の差が意味するのは、店頭に来る前に、ネット上での比較と絞り込みが進んでいるということです。

数字で見る、不動産業の現在地。

不動産業の集客環境を、公表データで並べます。

132,291業者

全国の宅地建物取引業者数(令和6年度末)。前年度比+1.3%で、増加は11年連続

出典:国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査」(2025/10)mlit.go.jp

全国の数の比較——宅地建物取引業者とコンビニエンスストア

不動産会社(令和6年度末)132,291
コンビニ(2026年5月)56,132

出典:国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査」/日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査月報 2026年5月度」(正会員7社・2026-07-13閲覧) jfa-fc.or.jp

55.8%

賃貸住宅の物件探しで「インターネット」を使った人の割合(三大都市圏・最多)。「不動産業者」44.7%を上回る。中古戸建て62.1%・中古マンション63.8%もネットが最多(注文住宅のみ住宅展示場50.8%が1位)

出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」(2025/7)mlit.go.jp

3.5

契約までに問い合わせた不動産会社の平均。賃貸3.3社は2015年以降で最多、「5社以上」も21.0%。実際に訪問したのは平均2.5社 ※契約者への設問はn=144(賃貸81・売買63)の小標本

出典:不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「2025年版 不動産情報サイト利用者意識アンケート」(2025/10)rsc-web.jp

900万戸

全国の空き家数(2023年・過去最多)。空き家率は13.8% ※速報集計

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)」(2024/4)stat.go.jp

その数字は、会社に何を起こすか。

マクロの数字は、1社の日常にこう翻訳できます。

①「物件の前に、会社が見られる」——賃貸で55.8%、中古で62〜64%と、物件探しの入口はインターネットが最多です。お客様はポータルサイトで物件を見比べながら、その物件を出している「会社」も同時に見ています。写真が少ない掲載、情報が古い自社ホームページ、空白のままのクチコミは、13万業者から平均3.5社へ絞り込まれる過程で、静かに候補から外れていきます。

②「来店の前に、絞り込みは終わっている」——問い合わせは平均3.5社、訪問は平均2.5社。この差が示すのは、問い合わせ後のやり取りの段階でさらに1社前後が外れている、ということです。店頭での接客力を発揮する前に、ネット上の見え方と問い合わせへの対応が、最初の勝負どころになっています。

③「相談の母数は広がっている」——空き家は900万戸・空き家率13.8%と過去最多(2023年・速報集計)。実家をどうするか、貸すか売るか、管理を誰に頼むか——「どの会社に相談すればいいか」を探す人の母数は増えています。地域を長く知る地場の会社にとっては入口が広がる変化ですが、その相談は、ネットで見つかり信頼を確かめられる会社にしか届きません。

「物件」はポータルで探され、「会社」はネットで見比べられる。来店の前に、比較の多くは終わっている。

そして、探し方そのものが「AIに聞く」へ動き始めている。

いま起きているもう一つの変化が、探し方そのものです。検索で生成AIを使う人は業種を問わず全体で37.0%。「◯◯市 賃貸 探し方」「実家の空き家 どうする」のようにAIへ尋ねる人が現れ、AIの回答が比較候補の入口になる場面が増えています。※これは不動産業だけを対象にした調査ではなく、全国10〜60代9,278名を対象にした検索行動全体の調査です。

37%

検索で生成AIを使う人の割合(業種横断・全国10〜60代9,278名の一般調査)

出典:CyberAgent「GEOラボ」(業種を問わない検索行動全体の調査)cyberagent.co.jp

AIの回答は、その会社の自社ホームページ・クチコミ・第三者の言及などを材料に組み立てられることがあります。だからいま自社の情報とクチコミを整えることは、そのまま「AIに引用・推薦されやすい材料を整える」ことにつながります。

データから導く、対策の優先順位。

この構図を踏まえると、地場の不動産会社の打ち手には優先順位をつけられます。

  1. 物件写真と物件情報の充実——入口がネット最多である以上、写真の量と質、間取り・費用・設備情報の正確さと新しさが、比較の第一関門になる。掲載情報を「多く・正確に・新しく」保つ運用をまず固める。
  2. 自社ホームページの整備と更新——ポータルで物件を見たお客様が「会社」を確かめにくる受け皿。免許番号・対応エリア・スタッフ・営業時間・得意分野(賃貸/売買/管理)を正確に載せ、更新を止めない。
  3. クチコミの獲得と返信の運用——契約や退去などの節目にお願いする場面を決めて件数を積み、返信で会社の姿勢を示す。平均3.5社から絞り込まれるときの判断材料になる。
  4. 問い合わせレスポンスの設計——平均3.5社に同時に問い合わせられている前提で、返答の速さと正確さを個人の頑張りでなく仕組みにする(一次返信の自動化、担当不在時のルールなど)。
  5. 空き家・売却相談の窓口を明示する——900万戸時代の相談ニーズに対し、「この会社に相談できる」ことがネット上で分かる形(相談ページ・実績・地域情報の発信)をつくる。
  6. AIに選ばれる準備(GEO/AIO)——生成AI・AI検索の回答に引用・推薦されやすいよう、正確な自社情報・クチコミ・第三者の言及を整える。上の各対策で整えた情報が、そのままAIの判断材料になる。

まとめ——この業界の集客をひとことで言うと。

不動産会社は13万業者を超え、コンビニの約2.4倍まで増えた。物件探しの入口はインターネットが最多になり、契約までに平均3.5社が比べられている。物件写真・自社ホームページ・クチコミ・レスポンス——「会社の見え方」を整えることが、規模を問わず集客の土台になっている。

Sources / 出典

  1. 国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査」(2025/10/3公表・宅地建物取引業者132,291業者・前年度比+1.3%・11年連続増加/2026-07-13閲覧) — https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00105.html
  2. 日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査月報 2026年5月度」(正会員7社・店舗数56,132店/2026-07-13閲覧) — https://www.jfa-fc.or.jp/folder/1/img/20260619140100.pdf
  3. 国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」(2025/7/18発表・賃貸の物件探しはインターネット55.8%が最多〈不動産業者44.7%〉・中古戸建て62.1%/中古マンション63.8%・注文住宅は住宅展示場50.8%が1位/2026-07-13閲覧) — https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf
  4. 不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「2025年版 不動産情報サイト利用者意識アンケート」(2025/10/27公表・契約までに問合せ平均3.5社・賃貸3.3社は2015年以降最多・「5社以上」21.0%・訪問平均2.5社・契約者設問n=144〈賃貸81・売買63〉/2026-07-13閲覧) — https://www.rsc-web.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2025/10/251027.pdf
  5. 総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」(2024/4/30公表・空き家900万戸・空き家率13.8%で過去最多/2026-07-13閲覧) — https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf
  6. CyberAgent「GEOラボ」(検索で生成AIを使う人37.0%・全国10〜60代9,278名。業種を問わない検索行動全体の調査/2026-07-13閲覧) — https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33041

不動産業界の専用記事

専用 全2本

不動産業界のために書き下ろした、この業界だけのデータ記事です。

あわせて読みたい、共通のデータ記事

不動産業界に関連
Web制作 / 更新2026.06.27

「最終更新◯年前」は、静かにお客様を減らす

更新が止まったサイトは「営業しているか不安」49.8%・「取引したくない」32.6%。営業時間が古ければ36.0%が別の店へ。情報の鮮度が信頼を左右します。

READ
AI検索 / 世代差2026.06.21

お客様の年代で、「探し方」はこんなに違う。

Instagram利用率は20代78.0%・70代10.4%。若年層はSNS・AI検索、シニアは検索・地図・テレビ中心。やる媒体は客層の年代で決まる。

READ
Web制作 / フォーム改善2026.06.20

「問い合わせたい」を、フォームで逃さない。

フォーム到達者の7割超が入力完了せず離脱。理由は10年間「項目が多い」が1位。1項目減で通過率+2%pt。改善の定石と窓口複線化を解説。

READ
クチコミ / 獲得2026.05.22

クチコミは、「お願いの設計」で増える。

投稿理由は「他の人におすすめ」34.8%が最多。依頼のタイミングと設計、返信が次のクチコミを生む。

READ
クチコミ / UGC2026.01.05

「悪い口コミを消す時代」は、終わった。

「良くない点も書かれている」が信頼の理由に41.2%。否定的な口コミで63.9%が購入をためらう。消すのではなく、返信・改善で信頼を作る。

READ
Web制作 / 基礎2025.12.28

Webサイトは、集客と信頼の「土台」になる。

決裁者の84%は営業に会う前に購買を決める情報へ到達。検討時の情報源で企業サイトは35.4%。国内企業の93.2%がサイトを持つ時代。

READ
クチコミ / 写真レビュー2025.09.30

写真付きクチコミが、文章より強い。

画像付きレビューを参考にする人は93%。信頼の条件は「具体性」と「写真」。文字より写真が、人を動かす。

READ
Web制作 / 信頼性2025.09.22

第一印象とHTTPSが、信頼を左右する。

人は約50ミリ秒で見た目を評価し信頼を判断。HTTPSは安全性とSEOの前提。信頼されるサイトは「設計」されている。

READ
AI検索 / 指名検索2025.09.06

「店名で検索される」が、最強の資産。

指名検索はCVが約12倍。ブランド言及量はAI Overviewsの可視性とも強く相関。指名される状態が土台。

READ

平均3.5社と比べられたとき、
選ばれる材料はそろっていますか?

物件写真・自社ホームページ・クチコミ・問い合わせ対応が、不動産会社としてどう見えているか。無料で診断し、優先順位をレポートにしてお届けします。

無料AI診断を申し込む