全国の宅地建物取引業者は13万2,291業者(令和6年度末)。11年連続で増え続け、コンビニ(56,132店)の約2.4倍にのぼります。一方で、物件探しの入口はインターネットが最多になり、契約までに平均3.5社の不動産会社が問い合わせで比較されています。「物件」だけでなく「会社」がネットで見られる時代——。地場の賃貸・売買仲介、管理会社の集客を考える出発点は、この構図を数字で正しくつかむことです。
まず、会社の数です。国土交通省の調査によると、全国の宅地建物取引業者(いわゆる不動産会社)は令和6年度末で13万2,291業者。前年度から1.3%増え、増加は11年連続です。全国のコンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会の正会員7社・2026年5月時点で56,132店)と並べると、その数は約2.4倍。お客様の側から見れば、「どの会社に頼むか」の選択肢が、コンビニよりはるかに多くあるということです。
次に、探し方です。国土交通省「住宅市場動向調査」(令和6年度)によると、賃貸住宅の物件探しは「インターネット」が55.8%で最多となり、「不動産業者」の44.7%を上回りました(三大都市圏の調査)。売買でも、中古戸建て住宅で62.1%、中古マンションで63.8%と、インターネットが最多です。ただし区分による違いには注意が必要で、注文住宅だけは「住宅展示場」50.8%が1位。「不動産探しはネットが最多」と一括りにはできませんが、地場の仲介会社が主に扱う賃貸・中古の領域では、入口はすでにネットに移っています。
そして、比べられ方です。不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)の2025年版アンケートによると、契約までに問い合わせた不動産会社は平均3.5社。賃貸に限ると3.3社で2015年以降もっとも多く、「5社以上」に問い合わせた人も21.0%います。一方で、実際に訪問した会社は平均2.5社にとどまります(契約者への設問はn=144〈賃貸81・売買63〉と標本が小さい点は注記します)。問い合わせと訪問の差が意味するのは、店頭に来る前に、ネット上での比較と絞り込みが進んでいるということです。
不動産業の集客環境を、公表データで並べます。
132,291業者
全国の宅地建物取引業者数(令和6年度末)。前年度比+1.3%で、増加は11年連続
出典:国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査」(2025/10)mlit.go.jp
全国の数の比較——宅地建物取引業者とコンビニエンスストア
出典:国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査」/日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査月報 2026年5月度」(正会員7社・2026-07-13閲覧) jfa-fc.or.jp
55.8%
賃貸住宅の物件探しで「インターネット」を使った人の割合(三大都市圏・最多)。「不動産業者」44.7%を上回る。中古戸建て62.1%・中古マンション63.8%もネットが最多(注文住宅のみ住宅展示場50.8%が1位)
出典:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」(2025/7)mlit.go.jp
3.5社
契約までに問い合わせた不動産会社の平均。賃貸3.3社は2015年以降で最多、「5社以上」も21.0%。実際に訪問したのは平均2.5社 ※契約者への設問はn=144(賃貸81・売買63)の小標本
出典:不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「2025年版 不動産情報サイト利用者意識アンケート」(2025/10)rsc-web.jp
マクロの数字は、1社の日常にこう翻訳できます。
①「物件の前に、会社が見られる」——賃貸で55.8%、中古で62〜64%と、物件探しの入口はインターネットが最多です。お客様はポータルサイトで物件を見比べながら、その物件を出している「会社」も同時に見ています。写真が少ない掲載、情報が古い自社ホームページ、空白のままのクチコミは、13万業者から平均3.5社へ絞り込まれる過程で、静かに候補から外れていきます。
②「来店の前に、絞り込みは終わっている」——問い合わせは平均3.5社、訪問は平均2.5社。この差が示すのは、問い合わせ後のやり取りの段階でさらに1社前後が外れている、ということです。店頭での接客力を発揮する前に、ネット上の見え方と問い合わせへの対応が、最初の勝負どころになっています。
③「相談の母数は広がっている」——空き家は900万戸・空き家率13.8%と過去最多(2023年・速報集計)。実家をどうするか、貸すか売るか、管理を誰に頼むか——「どの会社に相談すればいいか」を探す人の母数は増えています。地域を長く知る地場の会社にとっては入口が広がる変化ですが、その相談は、ネットで見つかり信頼を確かめられる会社にしか届きません。
「物件」はポータルで探され、「会社」はネットで見比べられる。来店の前に、比較の多くは終わっている。
いま起きているもう一つの変化が、探し方そのものです。検索で生成AIを使う人は業種を問わず全体で37.0%。「◯◯市 賃貸 探し方」「実家の空き家 どうする」のようにAIへ尋ねる人が現れ、AIの回答が比較候補の入口になる場面が増えています。※これは不動産業だけを対象にした調査ではなく、全国10〜60代9,278名を対象にした検索行動全体の調査です。
AIの回答は、その会社の自社ホームページ・クチコミ・第三者の言及などを材料に組み立てられることがあります。だからいま自社の情報とクチコミを整えることは、そのまま「AIに引用・推薦されやすい材料を整える」ことにつながります。
この構図を踏まえると、地場の不動産会社の打ち手には優先順位をつけられます。
不動産会社は13万業者を超え、コンビニの約2.4倍まで増えた。物件探しの入口はインターネットが最多になり、契約までに平均3.5社が比べられている。物件写真・自社ホームページ・クチコミ・レスポンス——「会社の見え方」を整えることが、規模を問わず集客の土台になっている。
不動産業界のために書き下ろした、この業界だけのデータ記事です。
空き家は900万戸・空き家率13.8%と過去最多。不動産会社を選ぶ基準は、売買で“地元で知名度のある会社”が12.4%→27.0%と2倍超に上昇(n=63の小規模調査)。中古の物件探しはインターネットが6割超で最多。「地域での見え方」の整え方を整理します。
READ →物件探しでポータル以外に使うものの1位は不動産会社の自社HP38.6%。会社選びは「写真の点数が多い」74.3%が最多で、口コミ情報も29.9%へ増加し「特に重視」で2位。満足だった対応1位はレスの速さ71.5%。会社の選ばれ方をRSC調査で整理します。
READ →更新が止まったサイトは「営業しているか不安」49.8%・「取引したくない」32.6%。営業時間が古ければ36.0%が別の店へ。情報の鮮度が信頼を左右します。
READ →Instagram利用率は20代78.0%・70代10.4%。若年層はSNS・AI検索、シニアは検索・地図・テレビ中心。やる媒体は客層の年代で決まる。
READ →フォーム到達者の7割超が入力完了せず離脱。理由は10年間「項目が多い」が1位。1項目減で通過率+2%pt。改善の定石と窓口複線化を解説。
READ →投稿理由は「他の人におすすめ」34.8%が最多。依頼のタイミングと設計、返信が次のクチコミを生む。
READ →「良くない点も書かれている」が信頼の理由に41.2%。否定的な口コミで63.9%が購入をためらう。消すのではなく、返信・改善で信頼を作る。
READ →決裁者の84%は営業に会う前に購買を決める情報へ到達。検討時の情報源で企業サイトは35.4%。国内企業の93.2%がサイトを持つ時代。
READ →画像付きレビューを参考にする人は93%。信頼の条件は「具体性」と「写真」。文字より写真が、人を動かす。
READ →人は約50ミリ秒で見た目を評価し信頼を判断。HTTPSは安全性とSEOの前提。信頼されるサイトは「設計」されている。
READ →指名検索はCVが約12倍。ブランド言及量はAI Overviewsの可視性とも強く相関。指名される状態が土台。
READ →平均3.5社と比べられたとき、
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