全国の柔道整復の施術所(整骨院・接骨院)は50,924か所(令和6年末現在)。この区分だけで、コンビニ(56,132店)に迫る5万か所超です。はり・きゅうを行う施術所も35,494か所と、10年で約4割増えました。一方で、公的保険から支払われる柔道整復療養費は8年で約28%減。整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ店等を含む「マッサージ業」の倒産は2025年度に108件と、この30年で最多になりました。施設が増え、保険の市場が縮むなかで差がつくのは、「探され方」と正確な情報発信です。治療院・整体の集客環境を、国の統計と調査データで整理します。
厚生労働省「衛生行政報告例」(隔年調査)によると、柔道整復の施術所は令和6年末現在で50,924か所。10年間で11.7%増えました。はり・きゅうを行う施術所は35,494か所で、10年間の増加率は39.5%にのぼります(あん摩マッサージ指圧は17,531か所で2.7%減。複数の区分を併せて行う施術所も38,595か所あります)。担い手も増えています。就業する柔道整復師は78,666人と10年で23.2%増、はり師は136,736人(4.0%増)。施設も人も、増え続けているのがこの業界の基調です。
一方で、公的保険の市場は縮んでいます。厚生労働省の社会保障審議会・柔道整復療養費検討専門委員会の資料によると、柔道整復療養費(健康保険から施術に支払われるお金)は、平成26年度の3,825億円から令和4年度には2,747億円へ、8年で約28%減少しました。施設の数が1割増え、保険からの支払総額が3割近く減る——1施設あたりで見れば、分け合うパイは年々小さくなっている計算です。
その帰結の一つが、退出の増加です。東京商工リサーチの集計では、整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ店等を含む「マッサージ業」の倒産は2025年度に108件(前年度比14.8%増)と、1996年度以降の30年間で最多を更新しました。内訳を見ると、原因の84.2%(91件)が「販売不振」、つまり利用者が集まらないこと。負債は全件が1億円未満、96.2%は資本金1千万円未満で、小規模な施設の退出が中心です。市場の縮小が、規模の小さい施設から順に表面化しています。
この業界の経営環境を、公表データで並べます。
50,924か所
柔道整復の施術所の数(令和6年末現在)。10年で11.7%増え、この区分だけでコンビニ(56,132店)に迫る5万か所超に
出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2025/7)mhlw.go.jp
施術所の数とコンビニ店舗数——「区分ごと」の比較
※施術所は令和6年末現在。複数の区分を併せて行う施術所(38,595か所)があるため、区分の単純合算はできません。出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」・日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査月報(2026年5月度・正会員7社)」(2026-07-13閲覧) jfa-fc.or.jp
約28%減
柔道整復療養費は平成26年度の3,825億円から令和4年度の2,747億円へ、8年で約28%減少。施設が増える一方で、公的保険の市場は縮小
出典:厚生労働省 社会保障審議会 柔道整復療養費検討専門委員会 資料(2026/1)mhlw.go.jp
108件
「マッサージ業」(整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ店等を含む分類)の2025年度の倒産件数。前年度比14.8%増で、1996年度以降の30年間で最多。84.2%が販売不振で、96.2%は資本金1千万円未満の小規模施設
出典:東京商工リサーチ「『マッサージ業』の倒産動向(2025年度)」(2026/4)tsr-net.co.jp
マクロの数字は、1軒の施術所の日常では「情報が届かないことによる機会のずれ」というかたちであらわれます。
①「入口が、地図と検索に移っている」——店舗を探す手段の調査では、「Googleマップ」と「Google検索」がともに60.2%で同率1位、「口コミサイト」が58.0%。そしてGoogleマップで見つけた店舗へ実際に訪問した人は64.5%でした(首都圏20〜50代・n=550)。5万か所を超える施術所の中から候補に入るかどうかは、まず地図と検索の上で決まりつつあります。※治療院だけを対象にした調査ではなく、店舗探し全般の調査です。
②「初めての来院前に、クチコミが読まれている」——初めて利用する店ではクチコミを確認する人が計約9割(48.8%+42.3%)にのぼり、評価が良くないと来店を避ける人は77.5%という調査結果があります(n=1,240・2022年)。件数や返信の様子まで含めて、来院前の「下調べ」に応えられる状態かどうかで、候補に残るかが分かれます。※こちらも店舗全般を対象にした調査です。
③「情報の食い違いが、静かな候補落ちにつながる」——施術者の保有資格、料金、受付時間、所在地。探している人が知りたい基本情報が地図やホームページに載っていない、あるいは古いままだと、比較の土俵に上がる前に候補から外れてしまいます。これは何かを失うというより、本来届いたはずの人に情報が届かない「機会のずれ」です。
施設の数が増えるほど、選ばれる前の段階——地図・クチコミ・基本情報のところで、静かな差が生まれている。
もう一つの変化が、探し方そのものです。検索で生成AIを使う人は業種を問わず全体で37.0%。「〇〇駅 整骨院」のように検索していた人が、AIに尋ねる場面が現れ始めています。※これは治療院・整体だけを対象にした調査ではなく、検索行動全体の調査です。
37.0%
検索で生成AIを使う人の割合(全国10〜60代9,278名対象・業種を問わない一般調査)
出典:CyberAgent「GEOラボ」(業種を問わない検索行動全体の調査)cyberagent.co.jp
AIの回答は、その施設のGoogleマップ上の情報・クチコミ・第三者の言及などを材料に組み立てられることがあります。だから、地図と基本情報を正確に整えておくことは、そのまま「AIに引用・推薦されやすい材料を整える」ことにつながります。
この構図を踏まえると、治療院・整体の打ち手には優先順位をつけられます。
施術所は増え続け、公的保険の市場は縮み、小規模施設の退出は30年で最多になった。施設の数が増えるほど差がつくのは「探され方」であり、地図・クチコミ・正確な基本情報(資格・料金・受付時間・所在地)の整備が、規模を問わず来院の入口を支えている。
治療院・整体業界のために書き下ろした、この業界だけのデータ記事です。
初めて行くお店のクチコミを確認する人は約9割、評価が良くないと77.5%が来店を見送る——。見られるのは星59.3%・件数55.6%・写真50.0%、67%は店の返信まで確認。治療院に必要な「正確で誠実な情報発信」を調査データで整理します。
READ →柔道整復の施術所は全国50,924か所(令和6年末)と、コンビニ56,132店に迫る数。店舗探しはGoogleマップ・Google検索が同率60.2%で最多、地図アプリはGoogleマップが99.4%。数の時代の「探され方」と正確な情報発信を整理します。
READ →悪い口コミを見た人の67%が、お店の返信対応までチェック。まごころ型の返信で来店意向は31.7%→59.3%とほぼ2倍。返信は“次のお客様”への接客です。
READ →スマホ音声入力の利用経験は64.5%、用途1位は地図・ルート検索。会話で聞かれる「近くの」「営業時間」に、ビジネス情報とFAQで答える準備を。
READ →マップで探した73.5%が来店。来店直前にGBPを最終確認する人は62.8%、決め手は順位より「クチコミ・写真」。
READ →投稿理由は「他の人におすすめ」34.8%が最多。依頼のタイミングと設計、返信が次のクチコミを生む。
READ →「良くない点も書かれている」が信頼の理由に41.2%。否定的な口コミで63.9%が購入をためらう。消すのではなく、返信・改善で信頼を作る。
READ →店舗探しの手段はGoogleマップ・検索が60.2%で最多。マップで探した人の約73%が来店。地図とクチコミが来店を左右する。
READ →個人のネット利用はスマホ74.4%がPC46.8%を上回り最多。Googleもスマホ版を評価の基準にしている。
READ →画像付きレビューを参考にする人は93%。信頼の条件は「具体性」と「写真」。文字より写真が、人を動かす。
READ →指名検索はCVが約12倍。ブランド言及量はAI Overviewsの可視性とも強く相関。指名される状態が土台。
READ →あなたの院の情報は、
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