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業種データ / 治療院・整体 まず読む1本

増える施術所、縮む保険市場。
差がつくのは、「探され方」。

Nest Lab業種データ / 治療院・整体2026.07.13出典7件

柔道整復の施術所は50,924か所でコンビニに迫る、柔道整復療養費は8年で約28%減

全国の柔道整復の施術所(整骨院・接骨院)は50,924か所(令和6年末現在)。この区分だけで、コンビニ(56,132店)に迫る5万か所超です。はり・きゅうを行う施術所も35,494か所と、10年で約4割増えました。一方で、公的保険から支払われる柔道整復療養費は8年で約28%減。整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ店等を含む「マッサージ業」の倒産は2025年度に108件と、この30年で最多になりました。施設が増え、保険の市場が縮むなかで差がつくのは、「探され方」と正確な情報発信です。治療院・整体の集客環境を、国の統計と調査データで整理します。

施術所は増え続け、保険市場は縮んでいる——いま治療院・整体で起きていること。

厚生労働省「衛生行政報告例」(隔年調査)によると、柔道整復の施術所は令和6年末現在で50,924か所。10年間で11.7%増えました。はり・きゅうを行う施術所は35,494か所で、10年間の増加率は39.5%にのぼります(あん摩マッサージ指圧は17,531か所で2.7%減。複数の区分を併せて行う施術所も38,595か所あります)。担い手も増えています。就業する柔道整復師は78,666人と10年で23.2%増、はり師は136,736人(4.0%増)。施設も人も、増え続けているのがこの業界の基調です。

一方で、公的保険の市場は縮んでいます。厚生労働省の社会保障審議会・柔道整復療養費検討専門委員会の資料によると、柔道整復療養費(健康保険から施術に支払われるお金)は、平成26年度の3,825億円から令和4年度には2,747億円へ、8年で約28%減少しました。施設の数が1割増え、保険からの支払総額が3割近く減る——1施設あたりで見れば、分け合うパイは年々小さくなっている計算です。

その帰結の一つが、退出の増加です。東京商工リサーチの集計では、整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ店等を含む「マッサージ業」の倒産は2025年度に108件(前年度比14.8%増)と、1996年度以降の30年間で最多を更新しました。内訳を見ると、原因の84.2%(91件)が「販売不振」、つまり利用者が集まらないこと。負債は全件が1億円未満、96.2%は資本金1千万円未満で、小規模な施設の退出が中心です。市場の縮小が、規模の小さい施設から順に表面化しています。

数字で見る、治療院・整体の現在地。

この業界の経営環境を、公表データで並べます。

50,924か所

柔道整復の施術所の数(令和6年末現在)。10年で11.7%増え、この区分だけでコンビニ(56,132店)に迫る5万か所超に

出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2025/7)mhlw.go.jp

施術所の数とコンビニ店舗数——「区分ごと」の比較

コンビニ(2026年5月・全店)56,132
柔道整復の施術所50,924
はり・きゅうの施術所35,494
あん摩マッサージ指圧の施術所17,531

※施術所は令和6年末現在。複数の区分を併せて行う施術所(38,595か所)があるため、区分の単純合算はできません。出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」・日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査月報(2026年5月度・正会員7社)」(2026-07-13閲覧) jfa-fc.or.jp

約28%減

柔道整復療養費は平成26年度の3,825億円から令和4年度の2,747億円へ、8年で約28%減少。施設が増える一方で、公的保険の市場は縮小

出典:厚生労働省 社会保障審議会 柔道整復療養費検討専門委員会 資料(2026/1)mhlw.go.jp

108

「マッサージ業」(整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ店等を含む分類)の2025年度の倒産件数。前年度比14.8%増で、1996年度以降の30年間で最多。84.2%が販売不振で、96.2%は資本金1千万円未満の小規模施設

出典:東京商工リサーチ「『マッサージ業』の倒産動向(2025年度)」(2026/4)tsr-net.co.jp

その数字は、「機会のずれ」としてあらわれる。

マクロの数字は、1軒の施術所の日常では「情報が届かないことによる機会のずれ」というかたちであらわれます。

①「入口が、地図と検索に移っている」——店舗を探す手段の調査では、「Googleマップ」と「Google検索」がともに60.2%で同率1位、「口コミサイト」が58.0%。そしてGoogleマップで見つけた店舗へ実際に訪問した人は64.5%でした(首都圏20〜50代・n=550)。5万か所を超える施術所の中から候補に入るかどうかは、まず地図と検索の上で決まりつつあります。※治療院だけを対象にした調査ではなく、店舗探し全般の調査です。

②「初めての来院前に、クチコミが読まれている」——初めて利用する店ではクチコミを確認する人が計約9割(48.8%+42.3%)にのぼり、評価が良くないと来店を避ける人は77.5%という調査結果があります(n=1,240・2022年)。件数や返信の様子まで含めて、来院前の「下調べ」に応えられる状態かどうかで、候補に残るかが分かれます。※こちらも店舗全般を対象にした調査です。

③「情報の食い違いが、静かな候補落ちにつながる」——施術者の保有資格、料金、受付時間、所在地。探している人が知りたい基本情報が地図やホームページに載っていない、あるいは古いままだと、比較の土俵に上がる前に候補から外れてしまいます。これは何かを失うというより、本来届いたはずの人に情報が届かない「機会のずれ」です。

施設の数が増えるほど、選ばれる前の段階——地図・クチコミ・基本情報のところで、静かな差が生まれている。

そして、探し方そのものが「AIに聞く」へ動き始めている。

もう一つの変化が、探し方そのものです。検索で生成AIを使う人は業種を問わず全体で37.0%。「〇〇駅 整骨院」のように検索していた人が、AIに尋ねる場面が現れ始めています。※これは治療院・整体だけを対象にした調査ではなく、検索行動全体の調査です。

37.0%

検索で生成AIを使う人の割合(全国10〜60代9,278名対象・業種を問わない一般調査)

出典:CyberAgent「GEOラボ」(業種を問わない検索行動全体の調査)cyberagent.co.jp

AIの回答は、その施設のGoogleマップ上の情報・クチコミ・第三者の言及などを材料に組み立てられることがあります。だから、地図と基本情報を正確に整えておくことは、そのまま「AIに引用・推薦されやすい材料を整える」ことにつながります。

データから導く、対策の優先順位。

この構図を踏まえると、治療院・整体の打ち手には優先順位をつけられます。

  1. Googleビジネスプロフィール(地図)の整備——施設名・所在地・電話・受付時間を正確にそろえ、外観や院内の写真を載せる。探す手段の1位が地図と検索(ともに60.2%)である以上、最初に固める入口。
  2. クチコミへの誠実な運用——投稿を操作したりお願いを乱発したりせず、案内のタイミングを決めて自然に書いてもらえる導線をつくり、いただいた投稿には丁寧に返信して施設の姿勢を示す。初めての来院前に約9割が確認している。
  3. 正確な基本情報の発信(資格・料金・受付時間・所在地)——施術者の保有資格(柔道整復師・はり師・きゅう師などの国家資格)、料金の体系、受付時間と定休日、所在地とアクセスを、ホームページと地図で食い違いなく発信する。広告に関する法令上のルールの範囲で、事実の基本情報を正確に伝えることが土台になる。
  4. ホームページの鮮度を保つ——受付時間・料金・スタッフの変更をその都度反映し、地図・クチコミの情報と矛盾させない。古い情報は、それだけで候補落ちの理由になる。
  5. AIに引用・推薦されやすい材料を整える(GEO/AIO)——上の1〜4で整えた正確な情報・クチコミ・第三者の言及が、そのまま生成AI・AI検索の判断材料になる。

まとめ——この業界の集客をひとことで言うと。

施術所は増え続け、公的保険の市場は縮み、小規模施設の退出は30年で最多になった。施設の数が増えるほど差がつくのは「探され方」であり、地図・クチコミ・正確な基本情報(資格・料金・受付時間・所在地)の整備が、規模を問わず来院の入口を支えている。

Sources / 出典

  1. 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2025/7/29公表・隔年調査・施術所数(表6)と就業者数(表5)は令和6年末現在/2026-07-13閲覧) — https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/24/dl/kekka3.pdf
  2. 厚生労働省 社会保障審議会 柔道整復療養費検討専門委員会 資料(2026/1/30・柔道整復療養費 平成26年度3,825億円→令和4年度2,747億円/2026-07-13閲覧) — https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001646871.pdf
  3. 東京商工リサーチ「『マッサージ業』の倒産動向(2025年度)」(2026/4公表・整骨院・接骨院・鍼灸院・マッサージ店等を含む分類で108件・1996年度以降最多/2026-07-13閲覧) — https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202754_1527.html
  4. 日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査月報(2026年5月度)」(正会員7社・全店56,132店/2026-07-13閲覧) — https://www.jfa-fc.or.jp/folder/1/img/20260619140100.pdf
  5. ニュートラルワークス「店舗探しの検索行動に関する調査」(2025/5・首都圏20〜50代n=550・店舗探し全般の調査・PR TIMES/2026-07-13閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000041566.html
  6. mov「口コミサイト・地図アプリ利用動向意識調査」(2022年・n=1,240・店舗全般の調査・PR TIMES/2026-07-13閲覧) — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000024246.html
  7. CyberAgent「GEOラボ」(検索で生成AIを使う人37.0%・全国10〜60代9,278名・業種を問わない検索行動全体の調査/2026-07-13閲覧) — https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33041

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